今年は全員が国内の大学に進学:東京大学(文科三類)

当塾に在籍する受験生すべての進学先が無事決まりました.
年明け早々,能登半島地震があり,精神面の影響を心配しましたが,
困難な状況の中,皆よく頑張ったと思います.

コロナ禍以降は,一部を除き,海外留学を希望する生徒はめっきり減りました.一方で,国内の有名大学へ進学したいという高校生の割合が増加しています.ある意味,富山らしい傾向ですが,正直,少し寂しい思いもあります.周囲と異なる選択をするという行為は,心理的な抵抗が大きいということなのでしょうか.

そのような保守的な土地で育った彼ら・彼女らでも,大学入学後はぜひ留学したいという希望を持っています.都会に出ればさまざまな価値観と出会うチャンスもあるので,固定観念にとらわれず,「和して同ぜず」の精神で頑張って欲しいと思います.

さて,参考までに今年度生徒が進学した大学・学部の一部をご紹介します.
一人目は以下のとおり.

1.東京大学:文科三類

当初はなんとなく文科一類を志望していたようなのですが,私の影響かどうかわかりませんが(笑),国際関係学に興味を抱き,最終的には文科三類にしたようです.東京大学の場合,進振後の3年次からは法学部・教養学部のどちらでも国際関係学が学べます.私自身は教養学部の方が良いという考えであり,このことを伝えると,自分でもいろいろ調べたようです.いずれにせよ,最初に2年間はすべての学生は教養学部に在籍するので,いろいろな刺激を得ながら考えを深めていけばいいと思います.

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本人は将来,官僚になって日本のために貢献したいとのことです.ここまで将来像がはっきりしているというのも頼もしい限りです.また,官僚になるなら外務省がいいのではとプッシュしておきました(笑).外務官僚の場合,本省での研修後に留学の機会があり,配属後は定期的に本省と在外公館を行き来します.日本と海外との架け橋になりたいという気持ちはとても大切であり,そのような崇高な理想が持てる場合は,ぜひチャレンジして欲しいと思います.

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過去10年間富山で指導してきましたが,ここまで意識が高く行動力がある生徒は希有な存在です.勉強面で向上心が高いのはもちろんですが,いわゆるガリ勉ではなく,長年剣道で自分を鍛えてきた文武両道タイプです.長身なので,大学入学後は「格闘技でもやったら」と言うと,そこは意外なことに「古本屋巡りをし,将棋にも打ち込んでみたい」と本人...運動部からの誘いを断るのは大変かもしれません.いずれにせよ,貴重な4年間なので,学業からスポーツ,将棋まで,思う存分楽しんでください.

ちなみに,その生徒には卒業祝いとして以下の本を贈呈,紹介しました.本人からはさっそく「購入しました!」との返事.

Good Luck!

A.贈呈した本

開かれた社会とその敵(K.ポパー)

B.紹介した本

1.ジョージ・F・ケナン回顧録(ジョージ・F・ケナン)

2.国際政治(H.モーゲンソー)

3.歴史の教訓(アーネスト・メイ)

5.決定の本質:キューバ・ミサイル危機の分析(G.アリソン,P.ゼリコウ)