夏休みは自分で「課題」を見つけましょう.

夏休みに入り,普段忙しい高校生も,多少は自分の時間が持てていることと思います.毎回の授業では,夏休み中の予定その他について確認することから指導を開始します.生徒から異口同音に聞こえてくるのは,「課題」の話ばかりです.つまり学校や大手予備校から課される「課題」です.

IMG_0375

当塾の生徒の中も,何人かは大手学習塾や予備校の「夏期講習」を受講しているようで,「自分の時間がない」とこぼします.とにかく夏休み前半の生徒は,学校や予備校から出される「課題」との戦いに明け暮れています.

いつも思うのですが,「課題」は人から与えられるものなのでしょうか.少数意見だということは承知していますが,私自身は「課題」の多くは「自分で見つけるもの」だと考えています.自分の高校時代を振り返ると,確かに大人からのアドバイスは大事だけど,「ここが面白そうだから少し深掘りしてみよう」とか,わからないことがあったから「参考書を読み込んでみよう」とか,そのような意識が大きかったと自覚しています.

例えば,普段はしかたなく学習している数学でしたが,夏休みに「三角関数」や「行列」など,特定の分野に特化した参考書を本屋で買ってみたりしました.数学に対する情熱は夏の花火大会のようなもので,夏が終わると,すぐにただの「思い出」に変わってしまいましたが,それでも,それまでの自分とは異なるベクトルへの行動であり,「小さな成長」であったと今となっては考えます.

普段は自宅と学校の往復,夏休みは自宅と夏期講習の往復.周りの大人は「今やっておかないと」と陰に陽に圧力をかけてきます.そのような時,自分の中にある「小さな好奇心」の扱いをどうするのか,普段から考えておきましょう.そうすることで,今は正面から向き合うことができなくても,いつか,自分を形作る大きな柱になると思います.