1. 当塾の基本的な考え方
英語の学び方という点においては、国内の大学に進学する場合と同じです。こちらのエントリをご確認ください。
留学で一番大切なのは何でしょうか。英語力や費用でしょうか。それらももちろん大切です。これらに不安があるとそもそも留学に向けた準備ができません。でもそれらよりもっと大切なことがあります。ここまで言えばもう分かると思いますが、それは「決断」です。つまり留学すると自分で決めることです。何だ、そんなことかと思われるでしょう。でも実際にはこの「決断」ができずに迷っている人がいるのも事実です。
留学には予期しないことがいろいろ起こります。例えば、TOEFLが目標スコアに達しない、親が反対している、予算が厳しい、etc。留学には大きなエネルギーが必要で、それは時には周りを巻き込むほど強いものでなければなりません。言い換えれば、人任せにすることなく自分が主導権を握って前に進む必要があるということです。私はこれを「コントロールする」と表現しています。つまり、自分が動くから歯車が回るのであって、その逆ではないということです。例えば現在高校生で、留学の意志があり、家族の了解も得られている場合は、貴重な機会です。実際のプロセスでは、すべてを人任せにすることなく、自分から率先して物事を進めることで、有意義な経験が得られると思います。
一方、留学したい気持ちはあるが、まだ決めかねている場合はどうすればいいのでしょうか。留学は人生の大きな転機となるかもしれず、迷いが生じるのも理解できます。その場合は、やはり焦らず考えるしかありません。自分の気持ちが不安定な状況では学習にも身が入りません。留学経験者の意見を聞いたり情報を集めながらじっくり考えましょう。
ただしここで重要な点があります。それは迷っている間もTOEFL等の対策や学習は中断すべきではないということです。多少なりとも留学に興味があるのであればTOEFLの学習には抵抗はないでしょうし、迷っている間にも時間は過ぎていきます。結果として留学を断念したり先に延ばしたりする場合でも、英語学習自体は、将来的に大きな財産になります。
当アカデミーでは、留学の相談は歓迎しますが、迷っている人に無理に留学を勧めることはありません。また、一口に留学と言ってもいろいろな種類や形態があります。例えば、すでに大学を卒業している場合は、学位の取得を目指さない形での留学が可能です。一部の大学院では、オンラインでの履修や学位の取得も可能です。LinkedInなどで海外のいろいろな人のプロフィールを見ていると、最近では、○○大学院の△△コースのCertifiteを得ている等、自分の専門に特化したコースの専門教育を受けていることをアピールしている人が目立ちます。これは、大学院レベルでの履修者の割合が少ない日本とは大きく異なる点です。
2. TOEFL対策をベースにアカデミック・リーディングやライティングも指導
いうまでもなく、国内の大学に進学する場合と異なり、留学ではTOEFLの受験が必須になります。また、受け入れ先が求めるスコアは絶対にクリアしなければなりません。現実には、基準スコアをクリアしていなくても受け入れてくれるケースはあるようです。ただしその場合は、正規の授業が始まる前に英語のクラスを受講しなければならず、費用や時間の面で大きなロスとなります。正規留学を目指す場合は、TOEFLのスコアは必達と考えましょう。
TOEFLはTOEICとは異なり、一般的な日本人にとっては負担の大きな試験です。このため、所期のスコアを達成するまでに一定の時間がかかります。目標スコアによっても異なりますが、通常は1年程度の期間は見ておくべきです。これは、スコアを上げること自体に一定の時間がかかること、予定した留学時期が近づくと、事務手続き等で時間的な余裕がなくなるためです。
また、TOEFLは大事ですが、実際には留学におけるスタート時点に過ぎません。中には、向こうに行ってからが心配という方もいるでしょう。例えば、毎週・毎期末のレポートはどのように書けばいいのか等。理想を言えば、早い段階でTOEFL対策を終わらせ、本格的なリーディングやライティングの準備をしておくことが望ましいと思います。
スピーキングが大事ではないということではありません。ただ、日本にいる間に何ができるか、バランスを考慮しつつ何を優先することが望ましいかという観点から考えると、リスニングを欠かさずにリーディングやライティングにじっくり取り組むことが良いだろうということです。TOEFLのスコアをクリアしている限り、最低限のスピーキング能力はあるわけで、あとは留学後の環境の中で慣れていくことが現実的な対策になると思います。一方、留学後のリーディングやライティングでは正確さが求められます。そのためには留学前に適切な方法で学んでおく必要があり、時間がかかります。
近年は学習指導要綱の内容がコミュニケーション志向に移行してきていることから、また特に英文の精読学習が少ないことが原因で、文法知識が曖昧だったり、読解で苦労している高校生が多い印象を受けます。日常会話程度のスピーキングができる場合でも、リーディングの際に内容を読み違えていたりライティングで文法的な間違いがあったりします。留学後のコミュニケーションで正確な意思疎通を目指すのであれば、国内の大学に進学する場合以上の正確さが求められると考えるのは当然です。このため、当アカデミーでは、卒業後に英語圏の大学に留学を希望する高校生に対しては、国内組と同様、あるいはそれ以上に、文法や読解、英作文をみっちり学ぶよう意識付けを図ります。