大学選びに国境は関係ありません

当塾では本気で留学したい高校生を本気で応援しています.これまでにも,難関試験であるTOEFLにチャレンジし,大学が求める目標スコアをクリアして希望大学に正規留学した生徒が複数います.

彼ら・彼女らは皆,心の底から留学生活をエンジョイしています.送られてくる写真やメールからは,言葉や文化の違いに戸惑いつつも,初志貫徹で必死に頑張っている様子が伝わってきます.

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当塾で学ぶ高校生の多くは,富山市内のいわゆる「進学校」に在籍しています.これらの高校における「進路指導」は,国内の大学に進学することが暗黙の前提になっているようです.ただし,これは地方の公立高校では仕方がないことであり,海外の大学に進学したい場合は,基本的には生徒が「自分で」情報を集めて行動する必要があります.

大学を選ぶ際の生徒たちの基準は,志望学部を別にすれば,国内の「私立か国公立か」,「富山か県外か」,そして偏差値的に「合格可能かどうか」であり,「世界のどこで学ぶか」という基準で考える生徒は,一部を除き,ごくわずかです.ちにみに,在籍生徒に確認したところ,志望学部のトップはなぜか(国内の)「医学部」です....

最終的に国内の大学に進学する場合でも,「(国内の)私立か国公立か」という観点だけで考えるのと,「海外の大学」も調べた上で決めるのとでは,本人の「意識・視野の広さ」が大きく異なるように思います.高校卒業時点で医学部に行くかどうか迷っている生徒には,参考情報として,例えば米国の医学部が「大学院」からスタートすることを伝えます(当然ですが,米国のメディカル・スクールの方が楽という意味ではありません).

当塾では,最終的にどの大学・学部に進学するかは自分で決めれば良いと考えています.同時に,気持ちの持ち方次第で,またインターネットを活用し,きちんと情報を集めることで,国内・海外問わず,大学選びの選択肢が大きく広がることも話します.現在高校生で留学するかどうか迷っている方は,遠慮なくご相談ください.

当塾の指導方針について: 高校生編(海外の大学に進学する場合)

1. 当塾の基本的な考え方

英語の学び方という点においては、国内の大学に進学する場合と同じです。こちらのエントリをご確認ください。

留学で一番大切なのは何でしょうか。英語力や費用でしょうか。それらももちろん大切です。これらに不安があるとそもそも留学に向けた準備ができません。でもそれらよりもっと大切なことがあります。ここまで言えばもう分かると思いますが、それは「決断」です。つまり留学すると自分で決めることです。何だ、そんなことかと思われるでしょう。でも実際にはこの「決断」ができずに迷っている人がいるのも事実です。

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留学には予期しないことがいろいろ起こります。例えば、TOEFLが目標スコアに達しない、親が反対している、予算が厳しい、etc。留学には大きなエネルギーが必要で、それは時には周りを巻き込むほど強いものでなければなりません。言い換えれば、人任せにすることなく自分が主導権を握って前に進む必要があるということです。私はこれを「コントロールする」と表現しています。つまり、自分が動くから歯車が回るのであって、その逆ではないということです。例えば現在高校生で、留学の意志があり、家族の了解も得られている場合は、貴重な機会です。実際のプロセスでは、すべてを人任せにすることなく、自分から率先して物事を進めることで、有意義な経験が得られると思います。

一方、留学したい気持ちはあるが、まだ決めかねている場合はどうすればいいのでしょうか。留学は人生の大きな転機となるかもしれず、迷いが生じるのも理解できます。その場合は、やはり焦らず考えるしかありません。自分の気持ちが不安定な状況では学習にも身が入りません。留学経験者の意見を聞いたり情報を集めながらじっくり考えましょう。

ただしここで重要な点があります。それは迷っている間もTOEFL等の対策や学習は中断すべきではないということです。多少なりとも留学に興味があるのであればTOEFLの学習には抵抗はないでしょうし、迷っている間にも時間は過ぎていきます。結果として留学を断念したり先に延ばしたりする場合でも、英語学習自体は、将来的に大きな財産になります。

当アカデミーでは、留学の相談は歓迎しますが、迷っている人に無理に留学を勧めることはありません。また、一口に留学と言ってもいろいろな種類や形態があります。例えば、すでに大学を卒業している場合は、学位の取得を目指さない形での留学が可能です。一部の大学院では、オンラインでの履修や学位の取得も可能です。LinkedInなどで海外のいろいろな人のプロフィールを見ていると、最近では、○○大学院の△△コースのCertifiteを得ている等、自分の専門に特化したコースの専門教育を受けていることをアピールしている人が目立ちます。これは、大学院レベルでの履修者の割合が少ない日本とは大きく異なる点です。

2. TOEFL対策をベースにアカデミック・リーディングやライティングも指導

いうまでもなく、国内の大学に進学する場合と異なり、留学ではTOEFLの受験が必須になります。また、受け入れ先が求めるスコアは絶対にクリアしなければなりません。現実には、基準スコアをクリアしていなくても受け入れてくれるケースはあるようです。ただしその場合は、正規の授業が始まる前に英語のクラスを受講しなければならず、費用や時間の面で大きなロスとなります。正規留学を目指す場合は、TOEFLのスコアは必達と考えましょう。

TOEFLはTOEICとは異なり、一般的な日本人にとっては負担の大きな試験です。このため、所期のスコアを達成するまでに一定の時間がかかります。目標スコアによっても異なりますが、通常は1年程度の期間は見ておくべきです。これは、スコアを上げること自体に一定の時間がかかること、予定した留学時期が近づくと、事務手続き等で時間的な余裕がなくなるためです。

また、TOEFLは大事ですが、実際には留学におけるスタート時点に過ぎません。中には、向こうに行ってからが心配という方もいるでしょう。例えば、毎週・毎期末のレポートはどのように書けばいいのか等。理想を言えば、早い段階でTOEFL対策を終わらせ、本格的なリーディングやライティングの準備をしておくことが望ましいと思います。

スピーキングが大事ではないということではありません。ただ、日本にいる間に何ができるか、バランスを考慮しつつ何を優先することが望ましいかという観点から考えると、リスニングを欠かさずにリーディングやライティングにじっくり取り組むことが良いだろうということです。TOEFLのスコアをクリアしている限り、最低限のスピーキング能力はあるわけで、あとは留学後の環境の中で慣れていくことが現実的な対策になると思います。一方、留学後のリーディングやライティングでは正確さが求められます。そのためには留学前に適切な方法で学んでおく必要があり、時間がかかります。

近年は学習指導要綱の内容がコミュニケーション志向に移行してきていることから、また特に英文の精読学習が少ないことが原因で、文法知識が曖昧だったり、読解で苦労している高校生が多い印象を受けます。日常会話程度のスピーキングができる場合でも、リーディングの際に内容を読み違えていたりライティングで文法的な間違いがあったりします。留学後のコミュニケーションで正確な意思疎通を目指すのであれば、国内の大学に進学する場合以上の正確さが求められると考えるのは当然です。このため、当アカデミーでは、卒業後に英語圏の大学に留学を希望する高校生に対しては、国内組と同様、あるいはそれ以上に、文法や読解、英作文をみっちり学ぶよう意識付けを図ります。

高校3年生、TOEFL iBT 目標スコアを達成し、米国の大学に合格!

年明けからセンター試験、実用英検、大学一般入試等、休む暇なく全力で駆け抜けてきましたが、ここにきてまたうれしい結果が届きました。米国の大学への留学を希望する高校3年生がTOEFL iBT で目標スコアを達成し、正式に入学が許可されました。

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当塾では、国内の大学のみならず、海外の大学への留学を希望する高校生を最大限応援しています。なぜなら、大学はもはや国内の価値観や基準だけで選ぶ時代ではないからです。インターネットが普及し、世界中の大学の情報が簡単に得られるようになった今、世界レベルで自分に合った大学を選ぶのは、ある意味当然のことです。奨学金制度や学生に対するサポート、将来的な人脈やキャリア形成の面からも、意識の高い高校生やお母さん方にとっては、確実に現実的な選択肢の一つになっていると思います。

ただ、多くの場合、ネックになるのはTOEFLです。TOEFLは過去に数回試験内容が変更されており、現行の試験はTOEFL iBT です。大きく分けて4つのパートから構成されており、4技能すべてで一定のスコアが要求されます。TOEFL iBT はIELTSと比較されることがありますが、細かな面で違いがあります。また、米国の大学ではTOEFL iBTが選考基準になっていることが多いようです。

TOEFL iBT の難しさは、特にIntegratedと呼ばれる試験形式にあります。たとえばライティングやスピーキングでは、提示されたパッセージを読み、会話や講義を聴き、それらの情報をもとに書いたり話したりするという作業が求められます。これは国内の試験には見られない出題形式で、センター試験レベルの学習では歯が立ちません。現実的には、難関学部に入学した大学生が、最低半年程度準備して本番に臨むというのが一般的だろうと思います。

今回の生徒Nさんの場合、夏休みから約半年の学習で見事目標スコアをクリアしました。当塾に来たときにはまだ一度も受験したことがなく、その後直ぐに受験したときの最初のスコアは目標スコアにはほど遠い状態でした。スコアを見ると、スピーキングとライティングのスコアがリーディングとリスニングのスコアを上回っていました。本人によると、「リーディングより英会話が好き」とのこと。そこで、まずはスピーキングとライティングのスコアを上げることを目標とし、それにより自信を持ってもらう方向で授業計画を立てました。

彼女の場合、ライティングのスコアが良いのは大きなアドバンテージでした。TOEFL iBT の大きな特徴は、ライティングの比重が大きいことにあります。一般的な日本人英語学習者の場合、ライティングに苦手意識を持っている人が多く、指導にも時間がかかります。彼女の場合、そのような苦手意識がなく助かりました。そこで、授業では毎回事前にスピーキングとライティングの原稿作成を宿題として課し、私がすべて添削することにしました。

彼女は私が課したすべての課題に真摯に取り組んでくれました。最初の面談では、お母さんが「続くかどうか少し心配」とおっしゃっていましたが、そのような心配は全くの杞憂に終わりました。また、TOEFL iBT のライティングの指導と並行し、より易しい実用英検の過去問を使って英文リーディングの方法を頭と体に叩き込みました。TOEFL iBT のリーディングに使用される英文と比較すると、実用英検の英文は抽象度が低く、具体的な内容が多いため、高校生には適していると判断したからです。同時に、リスニングについては2級と準1級のスクリプトのシャドーイング、ライティングについては準1級のライティング問題を完璧に仕上げることを目標にしました。

2級は過去に受験したときは残念な結果に終わったとのことですが、当塾入塾後、約2か月の指導により、2級は1回で合格、準1級のライティングではフルスコアを達成しました。これらの結果を見た本人は、大きく変化します。苦手意識を持っていたリーディングの予習や音読にも積極的に取り組むようになったのです。

ただし、なんでもそうですが、物事はスムーズには進みません。その後受験した2回目の本番試験ではスコアが下がり、意気消沈する彼女。ただ私は今までにこのようなケースを見てきているので心配はしていませんでした。人間は、大きく飛躍する前に必ずと言っていいほど試練が課されるのです。本人が前向きになってきていることもあり、「何も心配はいらない。ただし今後の姿勢如何で本物の力が付くかどうかが試される」と話をしました。

スピーキングとライティングは順調に伸びるだろうと予想されたため、それからはリーディングとリスニングを鍛える方向にさらに大きく舵を切りました。最初は、ETSのOfficial Guideに掲載されているリーディングの本文について、私が一つ一つのパッセージを音読しながら逐語訳を示していきました。こうすることで、生徒は正しく英語が読めているときの頭の働かせ方がどのようなものかが実感できます。この段階まで来ると入塾した時とは表情が別人のようです。このような指導を約2ヶ月つづけた結果、3回目の試験では、前回を10点以上上回るスコアを獲得。それでもまだ目標スコアに10点以上足りません。さてどうするか。

私自身はリーディングとリスニングの基礎力はついてきたと感じていたため、設問で正解を得るための実践的な対策に移行してもよいだろうと判断しました。Official Guideにも記載されている通り、TOEFL iBTの設問には決まったパターンや形式、そして解答手順があります。そこでさらなるリーディングの練習も兼ねて、ガイドの説明文と例題を本人に音読してもらいながら細かく解答手順を確認していきました。「リーディングは好きではない」と言っていたのが嘘のように自ら解説文を声に出して読み、正解の根拠についても自分で考え、積極的に言ってくれるようになりました。

約半年の指導を経過し、1月はいよいよ最後の受験月となりました。本人には「何も心配はいらない。今試験が受けられることに感謝し、楽しんできなさい」と言って送り出しました。彼女には授業で教えるべきことはすべて教えたと考えており、何も心配はいらないというのは私の本心だったのです。ただ真冬の試験ですから、健康管理だけは怠らないようにと話をしました。試験後の最初の授業では「スピーキングで失敗したかも」と言っていた彼女ですが、私自身はリーディングのスコアが必ず伸びているはずであり、それによって目標スコアがクリアできるかどうかが決まると考えていました。

2週間後、私自身はほかの授業で忙しく、スコア発表日のことを忘れていたのですが、最初にお母さんからメールが届きました。「無事、目標スコアをクリアしました!」という内容です。その後本人からもメールがありました。彼女によると、パソコンの画面を前に、母と娘の二人で飛び上がって喜んだそうです。

ふたを開けてみると、ライティングはそれまでの最高点を記録。リーディングとリスニングについては、初回受験時と比較するとそれぞれ60%および40%を超える伸び率。まさに堂々の結果であり、胸を張って海を渡れるレベルです。

それにしても、なぜここまで彼女が成長できたのでしょうか。彼女は別人になったのでしょうか。お母さんによると、過去にいくつかの塾を経験し、最後にたどり着いたのが当塾とのことでした。確かに表面的に彼女は変わりました。特に秋以降ははっきりと私も感じました。スコアが伸びるかどうか不安な中、精神的に疲れることもあったと思います。そのような中、彼女は泣き言一つ口にせず、黙々と学習に取り組んでくれました。

私自身は、彼女は本質的な部分では何ら変わっていないと見ています。最初の面談では少し恥ずかしそうにしながらも笑顔で話をしてくれたNさん。こちらからの質問にもしっかり答えようという意志が感じられました。そう、彼女は「変化ではなく開花」したのです。つまり元から持っていたものが顔を出したに過ぎないということです。

米国の大学ではホスピタリティーを学び、将来は世界を飛び回って仕事をしたいと語るNさん。成長した大人の彼女に再会できる日を心から楽しみにしています。