過去に企業から英語研修の依頼を受けたことがあるからわかるのですが、
一般的に、企業における英語研修とはTOEIC研修を指す場合が多いと思われます。
研修予算に余裕のある企業は、TOEICにプラスしてネイティブの会話トレーニングを行うこともあるでしょう。
国内、特に富山という地方性を考えると、TOEICなどの試験対策に傾注するのは理解できることであり、一定のプラス効果はあると思います。
私自身は、自分の英語力強化に最も役立った方法は何かと聞かれたら、「多読」であると答えることにしています。
高校生時代から富山駅の売店でStudent Timesなどを買い、お世話になった大学・大学院でも、ほぼ毎日英文を読む必要に迫られたため、意識せずに「多読」していたと言えます。
ふつうの日本人がこのような環境下に身を置くことは多くないと思われるため、「多読」は極めて意識的な学習行為になります。
また、企業研修等で「多読」を行おうとしても、結果を数値化できなかったり、短期的に学習効果を実感できなかったりする場合が多く、担当者の理解を得ることも難しいでしょう。
そのようなことを考えていたら、素晴らしい記事を発見しました。東洋経済オンラインの記事「新人に英語本500冊を読破させる会社 クレハ、超過劇な英語勉強法」です。この記事によると、クレハでは新人社員に対し、3年間で500冊の本を読ませるとのことです。具体的には、「辞書を引かずに3年間で300万語」ということだそうです。読書に慣れていない若者(オジサンも)にとっては、頭が痛くなるような内容ですが、PenguinやMcMillanなどを使用しているとのことで、最短5分で読めるものもあるそうです。
また、この記事では、中国人の新人社員に対して、「日本に住めば日本語は覚えられる。それよりも、英語をブラッシュアップさせ、高度な技術英語を駆使できるように」発破をかけているとのことです。
このような企業や上司のもとで鍛えられる若者は幸せですね。