中学3年生の女子2名,実用英検2級に合格.

医学部志望の受験生が準1級に1回で合格したと喜んでいたところ,英検2級を受験した中学3年生の女子2名がそろって合格したと嬉しい表情で知らせてくれました.

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当塾では,中学卒業までに英検2級に合格することを標準的な目標として設定しています.これまでの指導経験から,準2級までは早い段階で到達するため(概ね中学2年終了時),3年生の春をめどに2級を受験するようアドバイスし,授業計画を立てています.

保護者の中には,中学生3年生のうちに2級に合格させたいと考えている方も多いと思いますが,当塾で実施している学習は特に奇抜な内容ではありません.むしろ基本に「超」忠実です.使用するテキストは,『パス単』や過去問以外では,中学で使用している教科書2冊(Sunshine, New Horizonを3年分)と『音読』シリーズ(入門編から挑戦編まで)のみです.どうですか,たったこれだけです.あとは辞書を使った「基本動詞:come,go,make,have,get,etc」の学習を並行して進めます.『音読』シリーズの「挑戦編」は高校1年生レベルですが,これも多くの生徒は1/3程度読み込むだけで2級に合格しています.

では中学生3年生の段階で2級に合格する生徒にはどのような特徴があるのでしょうか.個人的な判断ですが,概ね以下の特徴を備えている人は,合格の可能性が高くなると思います.

1.指示された内容を素直に実行できる.

塾での授業は「1,2回/1週」ペースです.残りの時間は顔を合わせることができません.従って,音声のリスニングや英文筆写等,負担にならない範囲を設定し,自宅でこなすよう指示します.リスニングや筆写は簡単にこなすことができるはずです.合格する生徒は皆,面倒がらずに軽やかにこなしてくれます.

2.音声学習を楽しむことができる.

当塾では,「言葉の根本には音がある」と考えています.声を出さずにじっくり精読することも必要ですが,音声体系が日本語とは大きく異なる英語を身につけるには,音声に対するセンスを養うこともとても重要だというスタンスです.従って,面談の段階で,英文を音読することに精神的な抵抗がないかどうか確認します.個人授業なので,最初は恥ずかしがっていた生徒も,徐々に音読に慣れていきます.そうしたら,気分や目的に応じて音読したり黙読したり,臨機応変にアレンジすればいいと思います.洋楽や洋画も楽しみましょう.

3.読書をしている.

2級レベルになると,環境問題やIT等,学校では学ばない内容が出題されます.いまでは殆どの中学生がスマートフォンを所有していますが,SNSを介した友人間でのやり取りに終始するのはもったいないと思います.過去問で出題された英文中の専門用語等,授業中にインターネットで調べさせることもありますが,週末や長期休暇中は,日本語で知識を蓄えるようアドバイスしています.最近では,いつも授業中にこのような話を聞かされることもあってか,「こんな本を読みました」と言ってくれる生徒も増えてきました.高度な英文表現を学んでも受け皿となる母国語(日本語)が貧弱だと知識として定着しません.

今の時代,特に日本では,読書をする中高生は少数派といっていいと思います.自分の足で本屋に行き,自分の小遣いで本を買う.模擬試験の偏差値とは異なる別の尺度も兼ね備えている人は,個人的には,今後の受験,特に大学受験で大きなアドバンテージを得ることになると,ひそかに考えています.

語彙にしろ文法にしろ,未知の内容を学ぶわけですから,難しいと感じることもあるでしょう.特に高校生の場合は大学入試が控えており,模擬試験の結果も気になることでしょう.ただし,これまでの指導経験から,英語を学ぶことが楽しいと思える人であれば,適切な指導の下で必ず良い結果が得られます.いつも生徒に言っているのは,最後には「楽しみなさい」と言うことです.英検に合格するのは嬉しいことですが,しばらくすると忘れます.あとは自分なりの楽しみ方を見つけて,続けていきましょう.

医学部志望の大学受験生,苦手意識を克服し,実用英検準1級に合格.

2021年度第1回目の実用英検について合否の発表がありました.タイトルに示したように,今回は嬉しいことに,医学部志望の大学受験生を含め,準1級と2級の両方で合格者が出ています.

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準1級に合格した生徒は,実は一次・二次共に初回受験での合格ですが,受験した当の本人は大変驚いています.

なぜなら,この生徒は,春に集中授業に向けて面談を実施したときは,開口一番「英語に苦手意識がある」と述べていたからです.

話を聞いてみると,現役で医学部を受験したが残念な結果に終わったこと,原因は英語にあると感じており,なんとしても英語の力を上げる必要があることのことでした.集中授業からの開始でしたが,最初は2級レベルの英文も理解が不十分な箇所があり,少しわからない英文に出くわすと渋い表情を見せてしまうという状況でした.

当塾では,高校3年生以降に授業を開始する生徒もいますが,彼ら・彼女らには共通した特徴があります.顕著なのは,音声に無頓着であるか,関心が薄い(教科書に付属するCDは聴かないし,洋楽等の音楽にもあまり興味がない),音読が苦手,従って一定量の英文を一定の速度で読み進めることができないか,もしくは苦手である,リスニングも,学校から配布されるドリルをこなすだけといった具合です.

これらの生徒は,英語における情報伝達の基本であるパラグラフ・リーディングその他について,学校あるいは自分できちんと学んでいないため,パラグラフを読み終えたときに頭に情報が残りません,ライティングにおいても,学校では和文英訳のドリルをこなすことが中心であったり,自由英作文を含めたライティングの添削指導が不十分であったりするため,彼らが書くエッセイは日本語をそのまま英文にしただけという感じです.

今回準1級に合格した生徒は,医学部に進学したいという位ですから,基本的な学力は十分に備わっているはずです.したがって,本人が感じる「苦手意識」がどこから来ているのか,根拠があるのか,もしかすると錯覚に過ぎないのではないか,探りながら授業を進めました.

高校時代に散々ドリルをこなしていることから,基本文法は身についています.従って以下の課題を克服すべく計画を立てて授業を進めました.最優先課題は語彙力を増やすことです.2級レベルの語彙も怪しいことが判明したため,過去問を使って必須単語を明示し,辞書の例文をノートに書き取るよう指示.リーディングは内容が平易なリスニング・スクリプトを使ってパラグラフ・リーディングの基本を頭と体にたたき込みました.

1ヶ月ほど経過した時点で2級レベルの英文はほぼ理解できるまでに進歩,遠慮せずに準1級に向けて頑張ろうと励ましました.素直な性格なので本人もやる気が出てきた様子.ここでもリスニング・スクリプトの音読・精読から開始.ただし,語彙や内容すべてがレベルアップし,最初は渋い表情.授業ではゆっくり音読・精読し,自宅でも必ず復習の時間をとり,音声の視聴は欠かさないよう念を押しました.

集中授業(16回)の半分ほどが済んだ時点で,準1級のリスニング・スクリプトは内容がほぼ理解できるようになり,リーディングの精読に移行.本格的にパラグラフ・リーディングの学習を開始しました.実用英検は年に3回受験の機会があります(会場受験の場合).このため,問題のレベルや傾向は一定に保たれています.各級で出題者が求めていることは何か,本文中の英文を示しながら解説.段落の構造やパラフレーズを学ぶことで,設問の正解と本文中で根拠となる英文には密接な関係があることが身をもって理解できるようになります.

ライティングは,本番までに数回添削.最初はつたない英文でしたが,正しい書き方を学ぶことで,合格レベルの内容に仕上がりました.

一次試験終了後は「リスニングに自信がない」と言っていましたが,結果は見事1回の受験で合格.二次試験も「イラスト問題」,「自由応答問題」共に,簡単に応用できるテンプレートを使って口頭練習.一次試験同様,こちらも1回の受験で合格しました.

現役で志望する大学に合格できず,もう1年頑張ろうと決意した生徒の場合,目に見えないプレッシャーを感じていることと思います.今回の合格をきっかけに,次のステップに向けて楽しく頑張っていきましょう.