富山市の高校生が英検準1級ダブル合格.実用英検の受験を指導の主軸に据えている理由.

富山市在住の高校生がそろって実用英検準1級に合格しました.
今回は二人ともS-CBTでの合格です.

以前はほとんどの生徒が「本会場受験」を選んでいましたが,最近は「S-CBT」の割合が高くなってきました.生徒の多くは学校でGTECの受験経験もあるため,コンピュータ操作がネックになることはないと思います.さらに学校の定期試験時期との重複も避けられるため,紙の問題用紙に対するこだわりがなければ,「S-CBT」での受験を検討してみましょう.

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ちなみに,将来の希望進路を確認したところ,二人の内の一人は「官僚」,もう一人は「未定」だそうです.いずれも富山の高校生らしく「国内の大学」への進学を希望しています(少し残念…).

いずれにせよ,大学受験前に準1級に合格することができ,二人とも大変喜んできます.

当塾では日頃から,「表面的な偏差値」や「世間の評価」,さらには「問題の解き方」といった視野の狭い価値観に縛られることなく,「良質な英文を精読」することと,「自分で調べる」こと,そして「意識を外に向ける」ことを指導の根底に置きながら授業を行っています.

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準1級レベルになると,一般的な高校生の知識では難しいと感じるテーマが出題されます.たとえば,最近面白かったのは,第二次大戦時に英国がアフリカ戦線で採用した軍事作戦や,同じ英国内におけるイングランドとスコットランドの歴史的な権力闘争(なぜ国家間の関係にローマ法王が関与するのか等,世界史を選択していない生徒にはわかりにくい)などです.

学校から与えられる課題を機械的にこなすだけではなく,時には辞書や資料と格闘しながら英文を読み込む学習姿勢は,それこそ一生の財産になります.なぜ自分から手を動かして辞書や資料を確認するのか,なぜ「どういうことか説明してください」との質問に口頭で説明するよう毎回の授業で求められるのか,ほとんどの生徒は「今は」わからないと思います.なぜなら,これらはすべて「大学入学後の学び」に生きてくるからです.

ちなみに準1級合格後はどうするか.当塾では生徒の意向を確認しつつも,通常はすぐに志望大学の過去問を使うことはせず,そのまま1級の英文精読とライティング指導に移行します.準1級に合格するということは,高校生としては高いレベルの英語力があることの証です.ただし表面的な試験テクニックに走らないよう配慮する必要があること,「英文読解力」や「論理的な思考力」を一段高いレベルで磨くことが後の大学入試,さらには大学での主体的な学びに生かせると確信していることから,引き続き良質な英文やテーマの宝庫である1級の英文精読を継続します.

医学部志望者の増加に伴い対策を拡充します:富山大,金沢大

去年あたりから国内の医学部への進学を希望する高校生からの入塾相談が見られるようになりました.これまでも理系志望の高校生はいましたが,大抵は工学部・理学部に進む生徒であり,入塾相談の段階から医学部受検を明言する生徒はあまりいませんでした(中には,中学の段階から医学部志望を明言する生徒もいます).

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それとなく確認したところ,現在は在籍生徒の半数近くが医学部を志望または選択肢に入れているようで,しかもほとんどが女子生徒です.男子の場合は,父親が医師であっても医学部以外の理系学部に進む生徒や,医学部を志望しつつも,心の中ではゲームやITに対する興味・関心が強く,中には医師の仕事をしながらゲーム実況も頑張りたいと考える猛者もいるなど,女子とは考え方が異なります.

このような傾向を踏まえ,去年から北陸の主要大学である富山大学と金沢大学の医学部・過去問に対する分析を続けてきたところです.それらを踏まえて言えるのは,特に富山大学の場合,現役生が自力で対処するのは難しいだろうということです.

例えば富山大学の入試問題ではScienceのエッセイが好まれる傾向にあります.腸内細菌等,体内の細胞に関する新しい発見であったり,職業の選択や軌道修正で悩む大人の体験談が主な内容ですが,受験生である高校生はこのような専門色の濃い英文を制限時間内に読みこなし,最後にはポイントを絞ったエッセイとして仕上げる必要があります.

いったいどれだけの高校生が,普段の勉強で科学紙ScienceのWebサイトに自らアクセスし,出題傾向を踏まえた上でエッセイや論文をダウンロードし,自力で読みこなし,ポイントを絞ってコメントし,最後に250ワードのライティングとして仕上げることができるのでしょうか.

富山大学・医学部の一般入試に現役で合格する県内高校生の人数は把握していませんが,学校から機械的に与えられるドリルやプリントをこなすだけではかなり厳しいと言わざるを得ません.

中学時代から当塾で学んでいる医学部志望の高校生であっても「Ph.D(博士号)」や「postdoctoral(ポスドク)」などの用語や制度については知らないケースがほとんどであり,授業では英語圏の教育・雇用システムについて解説するところから話を始めることになります.

誤解を恐れずに言えば,海外の高等教育や医学用語に関する知識は必須ではありません.なぜなら,多くの受験生は意識していないと思いますが,実は大学入試には「未知の情報に接したときの対応力・思考力」を問うという重要な側面もあるからです.上記の点について言えば,「Ph.D」や「postdoctoral」について知らなくても,文脈に応じて「その場で想像しながら考える力」も必要なのであり,さらに踏み込んで言えば,そのような「物事を類推・抽象化する力こそが,大学側が見極めたい力」なのかもしれないということです.

医学部を目指す位の向上心がある生徒であれば,説明を聞けば初見の内容でも大抵のことは理解できます.それでも「キャリア・パスの変更等,大人の事情が絡む(しかも海外)」エッセイが読めるようになるにはある程度の時間と労力が必要です.間違っても,指導する側が「リーディングは諦めてライティングに注力しなさい」などと生徒に言ってはなりません.

Covid-19の収束が不透明な中,医療の分野に進み,本気で世の中に貢献したいと望む生徒が多いのは大人として喜ばしいことです.このような生徒たちの思いが叶うよう,授業で精一杯応援したいと思います.志のある高校生は遠慮なくご相談ください.

実用英検(2020年度第1回二次):富山市の医学部受験生,準1級に合格.

医学部合格を目指す富山市の受験生が,準1級二次試験(2020年度第2回)に合格しました.

ちなみに,今回は,準2級から準1級まで合格者が出ていますが,一次試験に合格者した方々は,二次試験でもそのままストレートで合格しています.

実用英検(2020年度第1回一次):準2級〜準1級まで合格.

準1級に合格した生徒は2回目の受検での合格です.前回はリスニングで少し苦労したため,今回は事前に音声スクリプトを丹念に精読し,正解の根拠を確認する作業を続けました,特に国内組が苦手に感じるPart-3の「リアル・シチュエーション問題」についても十分な時間をとって対策を講じました.ライティングも,本人が書いた原稿を数回添削しています.

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医学部合格を目指す受験生ということもあり,普段の授業では,英検や志望校の過去問以外に,4月以降毎月1本のペースでScienceのエッセイも購読しています.今後は引き続き,1級読解問題の英文もじっくり精読します.これらの学びを通して,最近では基本的な科学・医学以外に,Covid-19関連の動きにも広く意識が向くようになり,人間的にも成長したと感じています.

受験生には,学校の定期試験や模擬試験といった表面的な結果のみに一喜一憂せず,もっと視野を広げて,また貪欲に,優れた知識を追い求めてほしいと話しています.試験の点数や偏差値は必ずしもすべて自分でコントロールできるわけではありません.一方,優れた知識や書籍で自分を高めるという行為は,100%自分でコントロールできます.少しの時間を割くだけで,本の数冊の本に目を通すだけで,世界レベルの知見を吸収し,他の多くの受験生とは明確に一線を画すことができます.最近,Covid-19関連(さらに環境・国際分野)で優れた本を見つけたので,高校2年生以上の生徒・受験生に購入を指示したところです.難しいと思える内容でも,少し頑張って読み通すことで,目の前の視界が開ける感覚が得られると思います.

『コロナ・ショックは世界をどう変えるか-政治・経済・社会を襲う危機 (単行本)』

楽園をめぐる闘い: 災害資本主義者に立ち向かうプエルトリコ

ピンチはチャンス:今回の危機は自分の学びを再考する貴重な機会です.

コロナ・ウィルスの影響により,富山県内でも学校の休校が続いています.
このような状況下では,テレビ報道の影響もあり,学習が遅れたり運動不足で生活が不規則になる等,マイナス面ばかりに目がいきがちです.

幸いなことに,当塾は個人授業のため,授業形式を「対面授業」から「Skype授業」に変更した以外は,これまでとなんら変わることなく授業を進めることができています.

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毎回の授業では,1週間の生活・学習状況についてその都度確認することができますが,そこから判断する限り,生徒たちも比較的規則的に生活できているようです.

そのような中,生徒たちには以下のことを話しています.つまり,今回のようなパンデミックは大人も含めてほとんどの人が未経験であり,今人類は,世界が大きく変わる変革の時代にいるということです.

歴史を見ればわかるとおり,戦争や地震等,多くの場合,変化は悲劇と共にやってきます.これは悲しいことではありますが,人間の歴史というのはそういうものです.

高校2,3年生にもなれば,多少世の中のことも見えてくるはずですし,またそうでなくてはなりません.このようなときに,しかも2ヶ月近くにわたって学校の授業がないというこの時期に,自分の内面と対話し,どのように過ごすか考えてみること,そのための自由が得られたことは,逆説的ですが,貴重な機会を与えられたと捉えることも可能ではないでしょうか.

学校からは,相変わらず,ドリルやプリント中心の学習をするよう指示されているようです.このような学習については,以前にも増して,生徒からの不満を耳にするようになっています.すなわち,このような「ドリル作業」には多くの時間がとられることから,高度な学習や読書の時間が十分にとれないという不満です.例えば,すでに英検準1級を取得しているにもかかわらず,ドリルやプリントを提出しなければならない,もっと高度な英文を読みたい,世界のことを知りたいという強い思いがあるのに,そのための時間がとれないというという悩みです.

そのような生徒たちには,プリントやドリルを使った機械的な「作業」は早々に済ませ,教科書その他の英文をじっくり読み「自分の頭で物事を考える学びの時間」をつくるようアドバイスをしています.例えば,高校3年生の教科書は大変優れており,高校生だけに読ませるにはもったいない内容です(社会人の英検受験者にも購入を勧めています).富山市内の一部の高校で採用されているUnicorn 3 English Communicationは素晴らしいですね.過去に世界で話題になった著作からの抜粋が収められており,一部はTEDで著者のスピーチを見ることも可能です(例えば,Lesson 9: The Power of Introverts by Susan Cain),

また,一部の生徒の授業では,英検1級の読解問題に加えて科学雑誌ScienceThe New York Timesのエッセイ,さらにはコロナ・ウィルスに関する最新情報を一緒に読んでいます.実力と向上心を兼ね備えた高校生であれば,このような一流紙レベルの英文を読み,自分でコメントを作成するレベルまで力をつけることは十分可能です.参考までに付け加えると,一部の大学や学部の入試では,このような海外一流雑誌からの出題は当たり前です.

当塾では,今回の休校期間中に,5冊から10冊程度本を選んで目を通すこと,数本の洋画やTEDを観ること,洋楽を聴き,生の英語を堪能するよう指示しています.生徒たちの反応は上々であり,皆学校のプリント作業は早々に済ませ,自分なりの「学び」を堪能しています.志が高い生徒の場合,大人たちの心配は杞憂です.すべてを管理するのではなく,生徒を信じて時間を与え,「自分で考えて学習・探求しなさい.疑問点があれば聞きに来なさい」とアドバイスすることも,時には大切な教育であるように思います.

中学2年生、実用英検 2級 合格!

3年連続の快挙です。
当塾で集中授業を受講した富山市内の中学2年生が、この度2016年度第3回実施、実用英検2級に合格しました。
おめでとうございます。中学2年生の実用英検2級合格はこれで3年連続です。本人、お母さん共に本当に嬉しそうです。

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実はこの生徒は過去2回、2級に不合格になっています。そこで自力では難しいと判断し、当塾の門を叩きました。最初の面談では大人しい印象を受けましたが、普段スポーツを頑張っていることや、話の受け答えから、芯が強く自己管理ができる人間であると判断しました。そこで、「負担が大きいけれど頑張ってみるか?」と聞くと、「頑張ります!」と即答。

過去2回のCSEスコアが合格圏内から大きく離れていたため、やってみないとわからないという状況からのスタートでした。今までの学習方法を確認すると、典型的な日本人英検受験者の学習スタイルそのままでした。つまり、旺文社から出版されている対策本を「黙って静かに学習」するというやり方です。音読もほとんどやったことがなく、発音や音声に対する配慮がありません。

長年、英語を含めた外国語を学び、教え、翻訳にも携わってきた人間として、色々考えることがあります。それは、「英語を学ぶとはどういうことか」、「英語の力がつくこと、英語が上達するとはどういうことか」というごく基本的な問題意識です。これについてはいずれまた改めて述べたいと思いますが、一つ思うのは、スポーツなどの他の技能と同様、きちんとしたルールを学ぶと同時に、「センスを育むことも大事」ということです。要は「英語のセンス」です。身も蓋もないような言い方になりますが、やはりそう思います。センスを育む意識があれば、状況に応じて自分が学んだことを応用できます。センスがなければ、自分が知らないこと、未知の状況に対応できないように思います。

では、どうすればセンスを育みつつ英検合格レベルに到達できるのか。しかも今回の場合のように短期間で。従来から、英語力向上に「音読」が一定の効果があることは知られています。しかし、英検上位級の合格を目指すには、学校の授業や自習だけでは、時間・量・方法のいずれにおいても不十分です。そこで、今回の生徒の場合、英検の過去問対策に入る前に、まずは音読や筆写のやり方を教え、徹底的に繰り返すことから始めました。もちろんテキストの内容を理解した上で、です。具体的な目標は、受験級である2級のリスニング・スクリプトを、原稿を見ないでシャドーイング・ディクテーションできるようになること、リーディング・スクリプトの概要を簡単な日本語で再現できることです。中学生にとってはかなりハードな内容であり、誰にでも薦められるわけではありません。あくまでも本人の潜在能力やモチベーションを見極めた上での判断です。

さらに、実用英検が2016年度からCSEスコアを採用したことを受け、ライティングも徹底指導しました。ある意味当たり前ですが、最初に書いてもらったライティングの原稿は「英語になっていない」内容でした。そこで、中学3年生の教科書を使って、自分がしっくり来る雛形を自分自身で作っていく指導を行いました。合格できる雛形をこちらから一方的に提示する方法は取りませんでした。英語であれ日本語であれ、言葉のセンスは自分自身で磨くしかありません。他人が作った原稿は、所詮は他人のものです。

この生徒は、私が指示した学習・トレーニング内容を全てこなしてくれました。よく頑張ったと思います。さて、気になる受験結果はどうだったか。一番驚いたのは本人でした。3ヶ月前のCSEスコアは合格からは程遠いレベルでしたが、結果を見て私も驚きました。CSEスコアは2級合格レベルをはるかに超え、準1級合格レベルに到達しています。リーディング、リスニング、ライティング、ライティング全ての分野で、受験者全体の平均を大きく超えており、ライティングに至っては受験者トップ・レベルです。

「準1級どうする?」と聞くと、本人は「3年生になるので、高校受験頑張ります」とのこと。今後しばらくは、DVDやNHKのテキスト(『Enjoy Simple English』など)を使って、「英語生活」を楽しみながら骨太な力が付くよう、授業を進めていきたいと思います。

会員連絡(170123): 実用英検2次試験対策のお知らせ

2016年度第3回 実用英検1次試験が一昨日実施されました。
当塾でも、複数の生徒・会員が受験しています。
今回も、一人でも多くの受講者が合格することを願っております。

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さて、一部の受験者からはすでに出来具合や内容について連絡を受けていますが、詳しい講評は英検協会のサイトに問題がアップされてからになります。
授業でも、主に準2級から1級について細かな解説を行う予定です。しばらくお待ちください。

また、英検協会のサイトで正解が確認できますので、次回授業までに以下の事を済ませておいてください。

  1. 自己採点を行い、大まかなスコアを算出する。
  2. ライティングの原稿内容を再現し、書き留めておく。

特に「2」は2次試験対策を行う上で重要です。なぜなら、ライティング内容を再現することで本番環境下での自分の癖がわかるからであり、そのような癖を知っておくことが面接で大きく役立つからです。

1次のライティングと2次の面接は密接に結びついています。自分が思い描いていた構成や内容で書けたかどうかは、自分にしかわかりません。ほとんどの受験者は、1次が終わると自分が何を書いたか忘れてしまいます。

忘れないうちにメモを残しておく人はごくわずかであり、このようなちょっとした行動の違いが、次に繋げる貴重な機会になること、特に2次試験で大きな差を生むことに気づいて欲しいと思います。

当塾の指導方針について: 高校生編(国内の大学に進学する場合)

1. 当塾の基本的な考え方

国内であれ海外であれ、希望の大学や学部に進学し、その後の学生生活を知的に満喫するために必要な英語力とは何か、そのことを考えながら指導しています。その際に当塾では、基本文法の習得ならびに、正確な英文読解および英作文能力の習得を重要視します。なぜなら、正確な英文読解を志向することで初めて正しい知識や情報に到達できるからであり、口語英語力の習得を目指す場合も、その道筋は一定レベルの英作文能力を志向することの延長線上に存在すると考えているからです。そして、そのための道筋は高校生のうちに提示すべきであるとも考えています。

この過程で生徒は様々なことを学ぶことができます。たとえば、勘やフィーリングだけでは高度な英文は読めないこと、一方、高度な英文が読めるようになることで視野が大きく広がること、視野が広がることで物事を客観的に分析する姿勢が身につくこと、日本語と英語の間に横たわる深い溝に目を向けることで言葉や異文化に対する謙虚な姿勢が身に付くこと等です。このように、一定レベル以上の英語力を身に付けるには、英文読解や英作文といった地道な訓練が結局は、遠回りのように見えて実は近道なのです。当塾では、高校生であれば気持ち一つでだれでもこのような知的訓練に取り組めると考えており、結果として得られる喜びは大きいと信じています。

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最近、「4技能」という言葉を耳にする機会が増えました。かつて学校英語が読解や文法中心のカリキュラムだったことへの批判から発展したアプローチで、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングをバランスよく学ぼうという考え方です。当塾は個人または少人数制の授業のため、普段から音声指導にはたっぷりと時間をかけています。ただし同時に、正確かつ高度な英文読解能力の習得がおろそかになってはならないとも考えています。国際社会における日本の立ち位置を考えると、この先の時代において、世界の情報を正確かつ素早く読み取り分析するための知的努力が不要になるとは思えません。様々な分野でこの国の将来を担うであろう志ある高校生には、自分の目標や役割にふさわしい英語力が身に付くよう指導してあげたいと考えています。

たとえば日本は世界に冠たる翻訳大国です。これだけの翻訳書が母国語で読める国は世界のどこにもありません。英語辞書の充実度もトップクラスです。個人的に通訳や翻訳の世界にも身を置いているのでわかるのですが、これらの世界で活躍しているプロ通訳者・翻訳者はみな、文法や読解、英作文の学習を地道に継続した人たちです。このように、英文読解や英作文の学習は高度な英語力を目指す場合に必ず必要となりますが、独学が面倒で難しいのも事実です。当塾の授業では、中学生のうちから英文読解や筆写に多くの時間を割きますが、高校生の場合も、特に高校入学以降に入塾した生徒には、じっくりと時間をかけて、正しく英文を読み、書けるよう指導します。

2.個人の進路に応じた授業内容

高校入学以降に入塾した生徒の場合、概ね最初の1年間は基本文法の習得に重点を置きます。文法の学習は退屈で面倒な部分があることは承知しています。だからこそ一緒に伴走してくれるコーチ役が必要なのではないでしょうか。基本文法を学んだあとは、あるいはその過程で、英文読解や英作文の学習を追加します。生徒には進度や希望に応じて課題を課しますが、全ての課題について、代表者が一人一人細かく添削した上で解説します。

多くの高校生が率直に考えているのは、希望する大学や学部に合格することです。教える側もこのような希望は最大限尊重しなければなりません。一方で、高校入学早々からそのための「対策」を口にするのは無粋というものです。高校時代の3年間は人生で一度きりです。当塾では、知的好奇心が旺盛になる時期に、正しい方法で英語を学びながら優れた英文を紹介・吸収してもらうことも大切ではないかと考えています。

授業では、生徒の興味や習熟度に応じて、代表者が所有するさまざまな英文素材から、内容が優れたテキストを選んで精読・多読・暗唱・筆写してもらいます。当塾で学習する場合、平均的な高校生よりもはるかに多くの英文を読み、書き、声に出すことになります。これらの学習で読んだり声に出して身に付けた英文は、その後の人生で大きな糧となります。もちろん、レベルを無視して最初から難しい英文を読ませることはありませんので安心してください。

3年生の夏以降は、進度や希望を確認したうえで、志望学部を意識した授業内容に段階的に移行します。この段階では、「合格」することを最優先に指導します。志望学部の過去問を中心に一人一人マンツーマンで丁寧に解説します。

3.求める生徒像

当塾では、特に、英語の習得が自分の人生にとって大切になると考えている高校生を歓迎します。在籍高校は問いません。やる気はあるけれど、学び方がわからない、部活で忙しいという生徒も大歓迎です。代表者は文武両道が大事だと考えている人間です。このため有効な時間の使い方等、アドバイスできます。また、普段の授業では、生徒がリラックスして対話できるよう気を配っています。人生で一度しかない高校生時代を、英語学習で思う存分エンジョイしましょう!

2015年、始動

あけましておめでとうございます。
2015年が始まりました。

昨年は、小学生から社会人まで多くの出会いがありました。心より感謝を申し上げます。
多くの方とお会いするたびに、英語を学ぶ目的も実にさまざまであると痛感しています。

当アカデミーは、不定期で社会人も受け入れていますが、メインとなる会員は中学・高校生です(入会は小学6年生以上)。このためふだんは大学入試に焦点を合わせて指導を行っています。

つまり、中学生であれ高校生であれ、大学入学までに何を身につけなければならないかを考えながら日々授業を行っているということです。簡単に言えば、中高一貫の私塾版といったところでしょうか。ちなみに生徒や父兄にお渡しする名刺や説明書類には “For All Academically Ambitious Students” と書いてあります。これは社会人と異なり、中学・高校生の場合は知識の習得と英語の習得を並行して高めていくことが大切と考えているからです。

このため、中身を無視し、スキルのみを強調して英語を捉える考え方とは距離を置いています。当然ですが、これは実践的な英会話の習得を否定するということではありません。事実、ふだんの授業では他のどの私塾にも負けないくらいリスニングや音読、会話練習に時間をさき、さらには発音矯正まで行います。このため、英検を受験するほとんどの生徒が予想以上の高得点を得ています。また、海外の研修等に自分の意志で参加したりと、英語を通してできること、やりたいことを各自がエンジョイできるよう助言しています。

中学生の場合は、異文化である英語を通して、世界に目を向け、多様な価値観があることを知ってもらうこと、家庭での読書や学習習慣をつけること、講師との1対1の対話を通して臆することなく自分の意見を言えるようになること、これらを最優先に掲げて指導しています。特に、高校卒業までの学習期間が6年あることから、これらの期間を通して英語学習を楽しく感じてもらえるよう工夫しながら授業を行っています。テキストもCEFRに準拠したものを使用し、習熟度がわかるよう配慮しています。

高校生の場合、今の時代第一に身に着けなければならないのは、「自分の頭で批判的にものを考える」習慣です。ITやインターネットがこれだけ普及した時代においては、前世紀の「インデックス型・記憶中心型」の頭脳はそれほど重要ではなくなります。なぜなら、調べたいことはGoogleで検索すれば済むからです。したがって授業では、今の学校授業で手薄になりがちな伝統的な英文解釈や英作文にたっぷり時間をかけて取り組みます。こうすることで「英文と対話」する感覚を養い、「仮説を立てて検証」することの大切さを学びます

暗記型の知識をすべて否定しているわけではありません。大きなスタンスとして、これからの時代においてより大切なのは、周りに流されない「個」としての人格や知性を磨くことであり、そのためには、大量の情報から本物の知性を探す能力と批判的なものの考え方を身に着ける必要があるということです。「知」に対するこのような姿勢は、かつての日本人がそうであったように、今でも気持ちひとつで十分持つことができると思います。

当アカデミーでは本年も志を大切にする生徒を全力で応援します。楽しく頑張りましょう!

会員連絡(141215):保護者面談を受け付けます

実用英検の2次試験も終わり、生徒たちの表情にも少しずつ落ち着きが戻り始めました。

この時期を利用して、会員の保護者面談を行います。ご希望の場合はご連絡をお願いします。また、会員以外の保護者の皆様からの質問やご相談も随時受け付けます。お申し込みは「Contact」ページよりお願いいたします。

当アカデミーは、英検の取得からハイレベルな大学入試留学まで対応可能な、富山では数少ない、専任の日本人講師が主催する英語塾です。中学生には、基礎文法に加えて音読や多読、Youtube、DVD等の映像を使いながら、楽しくかつみっちりと英語と向き合える環境作りを心がけています。またすべての生徒が英検を受験し、すべての生徒で合格や得点アップの成果が出ています。

高校生に対しては、学校授業の補習からセンター試験、国公立二次、私大(超)長文読解、自由英作文まで対応します。授業では、必要に応じて文章中の単語ひとつに至るまで細かく解析をしながら、あるいはパラグラフやパッセージ全体でどのようなロジックが展開されているのか、自由英作文でどのように文章を組み立てたらよいのか等、日本人の高校生が普段あまり学べない部分にまで踏み込んで学習・解説します。

当アカデミーは、予備校の集団授業や大教室内の個別指導とは本質的に異なる授業方式をとっています。これは黙って静かに学ぶだけでは英語は身につかないと考えているからです。このような認識のもと、大学受験生に対しても、英語と日本語の発想方法の違いから、発音・発声、音読などの音声トレーニングに至るまで、読めるけど話せないということにならないよう指導しています。

英語は「わかったはスタート」でありゴールではありません。また誰に頼まれたわけでもないのに受験英語と実用英語を分けるのもナンセンスです。今はインターネットで世界の様々な情報に接することができます。使える英語を早く身に着けて今からどんどん世界に目を向けましょう。