夏休みも中盤に入り,生徒の多くは(学校の)課題と向き合いながら,各自,お盆休みの予定を立てているようです.
毎年,生徒に対してアドバイスすることは同じです.学校の課題を早く終わらせ,自分の課題を見つけるための思考と行動を大切にするということです.ここで詳細は省きますが,特に今の大学入試においては,このような自律的な思考と行動こそが,本番の入試で最高のパフォーマンスを得るための最も大切な点であると確信しています.
ではどうするか.授業では以下のような具体例を挙げながら,とにかく「自分で動く」よう指示しています.
1.オープンキャンパスに過度に依存しない.
オープンキャンパスで「目に見えること」と「目に見えないこと」の両方を意識する.オープンキャンパスは,今の受験生の気質を反映しています.大学側は,生徒の多くが「目に見えること」に過度に意識が向きがちであることを知っています.背景にはネットの動画が高校生の日常に浸透しているためです.
しかし,たった1,2日のオープンキャンパスで伝えられることには限界があります.大学側はこのことを十分知った上で,それでもオープンキャンパスが必要と考えています.大学進学率が6割に迫っている今日においては,専攻や研究内容など,根気が必要なアカデミックな側面ばかりアピールしても,見学に来た生徒の多くはつまらなく感じてしまうことでしょう.このため,各大学は,見学に来た高校生に対して,極力ストレスを与えないよう,細心の配慮をしています.
生徒には,このような時代の特徴を説明し,自分が興味を抱く大学や専門分野について,調査するために何をすべきかアドバイスしています.特に語学・国勢系志望の場合は,可能な限り,各大学の特徴,特に大学に所属する研究者の研究分野まで含めて伝えるようにしています.
2.英語力・知識・思考力を向上させるリソースは無限にある.
ふだん生徒を観ていると,「Z世代」と言われる彼らの多くが,実はスマホやネットを含めた知的リソースを十分に活用していないことに気付きます.たとえば,入塾時に確認するのですが,普段から海外のニュース・メディアに触れている,あるいは意識して活用している生徒は皆無です.例えば,Youtubeは観ていてもPodcastは知らない,ましてやTEDなど観たことがない.New York TimesもScienceも読んだことがないため(学校で「課題」として扱われることが富山の高校ではほとんどないため),世界で何が起きているのか知らない,ということです.
大学入試は,過去10年間で大きく変化しました.変化の背景については,授業で細かく伝えていますが,(多くは教育環境が原因ですが)基本的には保守的な富山の高校生には,早い段階から「世界の動き」(時代によって変わる事と変わらない事の両方に目を向ける)と正面から向き合うことが,まずもって,出発点となります.
生徒には,夏休みは「書店に足を運び,自分の目で知識や情報を精査する」経験をさせます.これが当塾の「課題」です.当塾は高校生が中心,加えて中学生も相席しています.それぞれ以下のような課題を与えています.
(中学生)
1.洋画を観る.
「ヴェニスの商人」
上記以外に,英語圏の映画を2,3本,自分で選び,視聴する.
2.小説を読む.
「シャーロック・ホームズ」シリーズ.
「アガサ・クリスティ」シリーズ.
日本語訳で良い(ほとんどの翻訳が優れているため).
3月に準1級に合格した生徒は,Never Let Me Go (Kazuo Ishiguro) のペーパーバックを購入したそうです.いずれ授業でも取り上げます.
(高校生)
1.音声・動画環境を整え,使いこなす.
TED, Podcast,その他,英語学習を「スマホで最大化」させる.
2.辞書アプリを整備.
iOS, Androidいずれも,GeniusやWisdomをはじめとする良質な辞書がアプリで入すできます.辞書はハードウェアよりもアプリの方が使い勝手が良いと考えています.単語は調べたいときにその場で調べることが鉄則です.生徒にとって,スマホはそれこそ命の次に大事でしょうから(笑),ハードウェアよりも実は敷居が低いことに気付きます.
3.書店に足を運ぶ(自分を深掘りする).
当塾は,デジタル,アナログのハイブリッドです.当塾の代表者は日本的な区分けでは文系(専門は語学・国際政治学)の人間です.ところが一方で,UNIX (Linux) でWebサーバが組める知識と技術を持っています.このことを知ると,生徒の多くが驚きます.もちろん仕事と言うよりは趣味として遊びながら知識が身に付いたと言うことですが,それでも,AIをめぐる今の世界の動きについては,日頃から英字紙(The New York Times)を読むだけで可能なので,主な情報のフォローはできています.したがって,デジタル,アナログのどちらか一方を支持,あるいは否定するようなことはしません.書籍の多くが電子化されても,紙媒体は残ると考えているのであり,特に,書店が持つ知的空間は残さなければならないとの立場です.Google Earthを観ていても現地の匂いや空気は感じられません.知識も同様です.リアルな書店が身近にある限り,そこに足を運ぶのは,受験生,指導者の双方にとって書くことのできない知的な行動です.
















