「学習者」と「実践者」

英語習得のプロセスにおいては、「学習」すなわち「実践」であり、逆もまた然りです。誰に頼まれたわけでもないのに、無理に両者を分ける必要はありません。「実践」は将来のために取っておくものではなく、今すぐに普段の生活に取り入れることができます。

中高生で英検上位級に合格した人は、合格後の英語生活を振り返ってみてください。合格前と合格後では、リーディングやリスニングの質・量は変化しましたか?上位級に合格するということは、難易度の高い英文、多様な生の英語を処理できるレベルに近づきつつあることの証です。せっかく上位級に合格したのに、合格後も以前と同様にドリルや問題集をやるだけになっているとすれば、あまりにももったいない話だと思いませんか。

また、大学生や社会人にTOEIC対策を行うこともありますが、普段の英語生活のことを聞いてみると、公式問題集その他の参考書やドリルは使っているものの、英字新聞やペーパーバックを自分で買って読んでいる人は少ないですね。TOEICは今春から試験形式に変化があり、今まで以上にリーディング能力が求められる内容になりました。このため、英字新聞の購読が「試験に役立つ」という言い方をすると、反応する人もいましたが…。しかし、言うまでもなくこれら生の英文は、例えば800点とったらチャレンジするなどという性質のものではないと思いますがどうでしょうか。

英語を実践するのにレベルも学年も、さらに言えば場所も関係ありません。要はその人の意識・無意識に基づいた行動です。英字新聞や多読本を自分で買って読む、Podcastで海外ニュースを聴く、ITunes Uで海外の大学・大学院の講義を聴講するなど、できることはたくさんあります。私も高校生時代はStudent Times(今はThe Japan Times ST)、時には格好つけてThe Japan Timesを買い、辞書を片手に楽しく読んでましたよ。

http://www.youtube.com/watch?v=T7yC-5IDhKM&list=PLF7D78F06BEC0901C

英語に限らず、言葉は生き物であり、奥が深いのは言うまでもありません。日本人は真面目ですから、「一生、勉強ですよ」というのもアリでしょう。しかし肩の力を抜いて楽しむことも同じように大切であり、特に中高生で英検上位級に合格する人はそれができる入り口に立っていることに早く気づいて欲しいと思います。