医学部2名合格:富山大学,金沢大学

今回,当塾に在籍する受講生2名(共に女子生徒)が富山および金沢両大学の医学部に合格しました.おめでとうございます.の当塾からは初めての医学部合格,しかも2名のダブル合格です.志の高い高校生が自らの希望を叶える姿を見ることができ,個人的にも大変嬉しく思っています.

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さて,結果論から言えば非常にうれしい話なのですが,当初は指導の方法や内容の点で大いに悩みました.そこで,まずは富山大学,金沢大学それぞれの過去問を細かく分析し,どうすれば普段の授業に生かせるか考えました.また,医学部には面接があるため,この点についてもフォローする必要がありました.個人授業であるため,細かくみれば,二人の授業には異なる点もあります.ただし全体で見れば,概ね以下のような基本的なスタンスで授業計画を立て,1年間の授業を進めました.

1. 自らの決意が揺るぎないものであることを意識喚起する.

大学入学1年前に手帳を持参させ,第1ページ目に,「2021年,4月1日,私○○は無事△△大学医学部に入学することができました」と書かせました.いわゆる「願えば叶う」です.私自身,人生は,意識するしないに関わらず,良いことも悪いことも,概ね自分が思い描いた通りになると見ています.物事が成就できるかどうかは思いの強さに比例します.

2. 物事を高いレベルから俯瞰する

大学受験背一全体で医学部を受験し,実際に入学する割合はどれくらいでしょうか.また大学側は入学する学生に対して何を求めるのでしょうか.今のコロナ・ウィルスを取り巻く状況を見てもわかるとおり,物事は必ずしも計画どおりには進みません.門外漢の人間が言うことではありませんが,医師になれるかどうかは,入試や国家試験を含め,最終的には試験次第です.しかし医学部の入試には「面接」があります.そこで授業では,なぜ医学部の入試に面接があるのか,生徒自身に考えてもらいながら,また「一対一の対話」を通して自らの言葉で表現する練習を重ねながら,指導を続けました.

3. 偏差値以外の尺度を持つ

「面接」があることとも関連しますが,たとえば富山大学の医学部は,英語に関しては独自入試です.つまり他学部とは問題が異なるということです.具体的には科学誌Scienceが出題時の素材として好まれる傾向にあり,この点についても,特に過去1年間のScienceエッセイの中から受験問題としてふさわしいと思われる素材を検討・選択し,授業でも使用しました.ヤマを張るということではなく,問題作成者であればどのエッセイを採用するかを考え,50本程度目を通した中から10本程度を選び出し,授業で使用したというだけのことです.

当然ですが,普通の高校生は自らScienceに目を通すことはありません.ほとんどの生徒は学校から与えられる課題を無自覚にこなすだけです.一方の大学側は,高校生が普段どのような学習をしているか,あるいはしていないかということをお見通しです.数段高いところから受験生に手を差し出し,「医学部に入学したいのであれば,偏差値や模擬試験の結果ばかり口にせず,自分の頭で考え,手を伸ばしてここまで上がってきてください」と言っているように私には思えます.「○○模試」のような模擬試験のスコアばかり気にする生徒は,自分には何か大きく足りない側面があるのではないかと考えてみることも大切です.

現在,4月以降の受講申し込みや面談依頼が複数来ていますが,医学部志望の生徒も何人か含まれているようです.不安が続く時代に医療の現場に自ら立ちたいと考える高校生がいるのは日本にとっては大きな救いです.今後も,彼ら,彼女らの希望が叶うよう精一杯授業で応援します.一緒に頑張りましょう.