高校3年生、TOEFL iBT 目標スコアを達成し、米国の大学に合格!

年明けからセンター試験、実用英検、大学一般入試等、休む暇なく全力で駆け抜けてきましたが、ここにきてまたうれしい結果が届きました。米国の大学への留学を希望する高校3年生がTOEFL iBT で目標スコアを達成し、正式に入学が許可されました。

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当塾では、国内の大学のみならず、海外の大学への留学を希望する高校生を最大限応援しています。なぜなら、大学はもはや国内の価値観や基準だけで選ぶ時代ではないからです。インターネットが普及し、世界中の大学の情報が簡単に得られるようになった今、世界レベルで自分に合った大学を選ぶのは、ある意味当然のことです。奨学金制度や学生に対するサポート、将来的な人脈やキャリア形成の面からも、意識の高い高校生やお母さん方にとっては、確実に現実的な選択肢の一つになっていると思います。

ただ、多くの場合、ネックになるのはTOEFLです。TOEFLは過去に数回試験内容が変更されており、現行の試験はTOEFL iBT です。大きく分けて4つのパートから構成されており、4技能すべてで一定のスコアが要求されます。TOEFL iBT はIELTSと比較されることがありますが、細かな面で違いがあります。また、米国の大学ではTOEFL iBTが選考基準になっていることが多いようです。

TOEFL iBT の難しさは、特にIntegratedと呼ばれる試験形式にあります。たとえばライティングやスピーキングでは、提示されたパッセージを読み、会話や講義を聴き、それらの情報をもとに書いたり話したりするという作業が求められます。これは国内の試験には見られない出題形式で、センター試験レベルの学習では歯が立ちません。現実的には、難関学部に入学した大学生が、最低半年程度準備して本番に臨むというのが一般的だろうと思います。

今回の生徒Nさんの場合、夏休みから約半年の学習で見事目標スコアをクリアしました。当塾に来たときにはまだ一度も受験したことがなく、その後直ぐに受験したときの最初のスコアは目標スコアにはほど遠い状態でした。スコアを見ると、スピーキングとライティングのスコアがリーディングとリスニングのスコアを上回っていました。本人によると、「リーディングより英会話が好き」とのこと。そこで、まずはスピーキングとライティングのスコアを上げることを目標とし、それにより自信を持ってもらう方向で授業計画を立てました。

彼女の場合、ライティングのスコアが良いのは大きなアドバンテージでした。TOEFL iBT の大きな特徴は、ライティングの比重が大きいことにあります。一般的な日本人英語学習者の場合、ライティングに苦手意識を持っている人が多く、指導にも時間がかかります。彼女の場合、そのような苦手意識がなく助かりました。そこで、授業では毎回事前にスピーキングとライティングの原稿作成を宿題として課し、私がすべて添削することにしました。

彼女は私が課したすべての課題に真摯に取り組んでくれました。最初の面談では、お母さんが「続くかどうか少し心配」とおっしゃっていましたが、そのような心配は全くの杞憂に終わりました。また、TOEFL iBT のライティングの指導と並行し、より易しい実用英検の過去問を使って英文リーディングの方法を頭と体に叩き込みました。TOEFL iBT のリーディングに使用される英文と比較すると、実用英検の英文は抽象度が低く、具体的な内容が多いため、高校生には適していると判断したからです。同時に、リスニングについては2級と準1級のスクリプトのシャドーイング、ライティングについては準1級のライティング問題を完璧に仕上げることを目標にしました。

2級は過去に受験したときは残念な結果に終わったとのことですが、当塾入塾後、約2か月の指導により、2級は1回で合格、準1級のライティングではフルスコアを達成しました。これらの結果を見た本人は、大きく変化します。苦手意識を持っていたリーディングの予習や音読にも積極的に取り組むようになったのです。

ただし、なんでもそうですが、物事はスムーズには進みません。その後受験した2回目の本番試験ではスコアが下がり、意気消沈する彼女。ただ私は今までにこのようなケースを見てきているので心配はしていませんでした。人間は、大きく飛躍する前に必ずと言っていいほど試練が課されるのです。本人が前向きになってきていることもあり、「何も心配はいらない。ただし今後の姿勢如何で本物の力が付くかどうかが試される」と話をしました。

スピーキングとライティングは順調に伸びるだろうと予想されたため、それからはリーディングとリスニングを鍛える方向にさらに大きく舵を切りました。最初は、ETSのOfficial Guideに掲載されているリーディングの本文について、私が一つ一つのパッセージを音読しながら逐語訳を示していきました。こうすることで、生徒は正しく英語が読めているときの頭の働かせ方がどのようなものかが実感できます。この段階まで来ると入塾した時とは表情が別人のようです。このような指導を約2ヶ月つづけた結果、3回目の試験では、前回を10点以上上回るスコアを獲得。それでもまだ目標スコアに10点以上足りません。さてどうするか。

私自身はリーディングとリスニングの基礎力はついてきたと感じていたため、設問で正解を得るための実践的な対策に移行してもよいだろうと判断しました。Official Guideにも記載されている通り、TOEFL iBTの設問には決まったパターンや形式、そして解答手順があります。そこでさらなるリーディングの練習も兼ねて、ガイドの説明文と例題を本人に音読してもらいながら細かく解答手順を確認していきました。「リーディングは好きではない」と言っていたのが嘘のように自ら解説文を声に出して読み、正解の根拠についても自分で考え、積極的に言ってくれるようになりました。

約半年の指導を経過し、1月はいよいよ最後の受験月となりました。本人には「何も心配はいらない。今試験が受けられることに感謝し、楽しんできなさい」と言って送り出しました。彼女には授業で教えるべきことはすべて教えたと考えており、何も心配はいらないというのは私の本心だったのです。ただ真冬の試験ですから、健康管理だけは怠らないようにと話をしました。試験後の最初の授業では「スピーキングで失敗したかも」と言っていた彼女ですが、私自身はリーディングのスコアが必ず伸びているはずであり、それによって目標スコアがクリアできるかどうかが決まると考えていました。

2週間後、私自身はほかの授業で忙しく、スコア発表日のことを忘れていたのですが、最初にお母さんからメールが届きました。「無事、目標スコアをクリアしました!」という内容です。その後本人からもメールがありました。彼女によると、パソコンの画面を前に、母と娘の二人で飛び上がって喜んだそうです。

ふたを開けてみると、ライティングはそれまでの最高点を記録。リーディングとリスニングについては、初回受験時と比較するとそれぞれ60%および40%を超える伸び率。まさに堂々の結果であり、胸を張って海を渡れるレベルです。

それにしても、なぜここまで彼女が成長できたのでしょうか。彼女は別人になったのでしょうか。お母さんによると、過去にいくつかの塾を経験し、最後にたどり着いたのが当塾とのことでした。確かに表面的に彼女は変わりました。特に秋以降ははっきりと私も感じました。スコアが伸びるかどうか不安な中、精神的に疲れることもあったと思います。そのような中、彼女は泣き言一つ口にせず、黙々と学習に取り組んでくれました。

私自身は、彼女は本質的な部分では何ら変わっていないと見ています。最初の面談では少し恥ずかしそうにしながらも笑顔で話をしてくれたNさん。こちらからの質問にもしっかり答えようという意志が感じられました。そう、彼女は「変化ではなく開花」したのです。つまり元から持っていたものが顔を出したに過ぎないということです。

米国の大学ではホスピタリティーを学び、将来は世界を飛び回って仕事をしたいと語るNさん。成長した大人の彼女に再会できる日を心から楽しみにしています。