本番までにできること

2014年度第3回実用英検が今週末に迫りました。

残された時間は3日間ですが、3日間という時間をどのようにとらえるかは大切です。

3日間しかないから何もできないと考えるのか、3日間で何ができるかを考え、できることを実行するのとでは、結果に大きな違いが出ます。

そこで、3日間を有効に使うためにできることを挙げておきます。

1. 1日1回分の過去問を使い、「時間を計りながら」シミュレーションをする。

実用英検対策で重要なのは、過去問の使い方と時間管理の習得です。過去問は実用英検対策における生命線であり、試験に関するすべての情報を網羅しています。試験直前は、過去問だけを使って準備すればOKです。

授業では、リーディング、リスニングの各パートごとに大事なことを具体的に説明しました。

ただしこれは、理解するだけでは不十分で、時計を脇に置いて時間を図りながら、実際に問題を解くという作業が必要になります。特に時間管理は頭ではなく体で覚えることなので、実際にやってみて確認するしかありません。

時間管理は、リスニングの設問の先読みのため、リーディング終了までに5分~10分の時間を残すようにしましょう。

2.各パートごとの「解き方」を実践する。

授業ではリーディング、リスニングの各パートごとの「解き方」を学びました。特に過去1年間の問題形式について難易度別に説明しました。難易度が高い設問はそれだけ時間がかかるため、どの設問の難易度が高いかという見極めが大切になります。

リーディングでは、パラフレーズの理解が必要な問題、パラグラフやパッセージ全体の主旨を問う問題、リスニングでは最優先でメモを取るべき情報は何か、また「What is one thing…」問題など、中学・高校生にとっては難しいと思える問題についても具体的なアプローチの方法を授業で説明しました。

これらの問題は、「理解」+「実践」の両方が必要であり、過去問はそのためにあると思ってください。何度も過去問に目を通すと、初めから答えが分かっている場合もありますが、大切なのは答えを覚えているかどうかではなく、「解き方の手順」を再度確認し実践することです。授業で学んだとおりに実践すれば結果はおのずとついてきます。自信を持って臨みましょう。

2015年、始動

あけましておめでとうございます。
2015年が始まりました。

昨年は、小学生から社会人まで多くの出会いがありました。心より感謝を申し上げます。
多くの方とお会いするたびに、英語を学ぶ目的も実にさまざまであると痛感しています。

当アカデミーは、不定期で社会人も受け入れていますが、メインとなる会員は中学・高校生です(入会は小学6年生以上)。このためふだんは大学入試に焦点を合わせて指導を行っています。

つまり、中学生であれ高校生であれ、大学入学までに何を身につけなければならないかを考えながら日々授業を行っているということです。簡単に言えば、中高一貫の私塾版といったところでしょうか。ちなみに生徒や父兄にお渡しする名刺や説明書類には “For All Academically Ambitious Students” と書いてあります。これは社会人と異なり、中学・高校生の場合は知識の習得と英語の習得を並行して高めていくことが大切と考えているからです。

このため、中身を無視し、スキルのみを強調して英語を捉える考え方とは距離を置いています。当然ですが、これは実践的な英会話の習得を否定するということではありません。事実、ふだんの授業では他のどの私塾にも負けないくらいリスニングや音読、会話練習に時間をさき、さらには発音矯正まで行います。このため、英検を受験するほとんどの生徒が予想以上の高得点を得ています。また、海外の研修等に自分の意志で参加したりと、英語を通してできること、やりたいことを各自がエンジョイできるよう助言しています。

中学生の場合は、異文化である英語を通して、世界に目を向け、多様な価値観があることを知ってもらうこと、家庭での読書や学習習慣をつけること、講師との1対1の対話を通して臆することなく自分の意見を言えるようになること、これらを最優先に掲げて指導しています。特に、高校卒業までの学習期間が6年あることから、これらの期間を通して英語学習を楽しく感じてもらえるよう工夫しながら授業を行っています。テキストもCEFRに準拠したものを使用し、習熟度がわかるよう配慮しています。

高校生の場合、今の時代第一に身に着けなければならないのは、「自分の頭で批判的にものを考える」習慣です。ITやインターネットがこれだけ普及した時代においては、前世紀の「インデックス型・記憶中心型」の頭脳はそれほど重要ではなくなります。なぜなら、調べたいことはGoogleで検索すれば済むからです。したがって授業では、今の学校授業で手薄になりがちな伝統的な英文解釈や英作文にたっぷり時間をかけて取り組みます。こうすることで「英文と対話」する感覚を養い、「仮説を立てて検証」することの大切さを学びます

暗記型の知識をすべて否定しているわけではありません。大きなスタンスとして、これからの時代においてより大切なのは、周りに流されない「個」としての人格や知性を磨くことであり、そのためには、大量の情報から本物の知性を探す能力と批判的なものの考え方を身に着ける必要があるということです。「知」に対するこのような姿勢は、かつての日本人がそうであったように、今でも気持ちひとつで十分持つことができると思います。

当アカデミーでは本年も志を大切にする生徒を全力で応援します。楽しく頑張りましょう!

2014年度第2回 実用英検 全員合格

2014年度第2回 実用英検の結果が出ました。
うれしいことに、今回は当アカデミーの受験者全員が合格しました。

特に今回は中学生の頑張りが目立ちました。
受験級は準2級2級ですが、見事に全員が合格を果たしました。

今回合格を果たした生徒たちには共通点があります。
それは、「自分の意志で英検を受験している」ということです。

中学生の場合、「親から言われたから受ける」という程度の意識では上位級の合格を果たすことは難しいと思います。ましてや準2級や2級は高校または高校卒業レベルの難易度です。

したがって、「上位級を受けるということは人よりも先に進むということであり、それは大変ではあるが喜びでもある」という位の意識が必要になります。このため、誰にでも勧められるわけではありません。

また、講師の指示や説明を真摯に受け止めて実行する素直さも重要です。もちろん、前提として授業内容がしっかりしたものでなければならないのは言うまでもありません。今回合格を果たした生徒たちは皆、自分の意志で毎回懸命に学習に取り組んでくれました。

親の側に受験させたいという気持ちがあっても本人が受験に前向きにならなければ、試験勉強は単なる苦行になってしまいます。最初は楽しく学ぼうと思っていても、苦しいことばかりが続くと、最後には英語そのものを遠ざけてしまうことになりかねません。

したがって、当アカデミーでは基本的に英検の上位級を受ける場合は、まずは本人が自分で決断するように指導しています。本人に少しでもその気持ちが芽生えれば、最大限応援し、指導します。そして、受験日までの日数を逆算し、一人一人学習計画を立てます。

ほとんどの生徒が運動部に所属し、日々の部活をこなしながら、やるべきことをこなしていきます。英検は過去問が公開されていることもあり、問題の傾向と分析が重要になります。ただしこれは説明を聞いただけでは不十分で、試験中の時間管理も含め、実際に手や口を動かさないと本番での実力にはつながりません。

2次試験の場合も、普段から「温暖化についてどう思うか」とか「子供に携帯を持たせることに賛成か否か」とか、そもそも日本語で意見が言えなければ、英語で言うことはできません

したがって、授業では、大人である講師を前にして、日本語で簡潔に意見を言う練習から始め、最後には英語で言えるレベルまで持っていくように指導します。

このように、合格に必要なのは、本人にとっても指導する側にとっても根気のいる学習を互いに楽しみながら継続することだと思います。

当アカデミーでは、随時やる気のある中学生・高校生を受け入れています。やる気はあるがどうしたらいいかわからないという人、英語で人生を切り開きたい、豊かにしたいという人は、遠慮なくご相談ください。

会員連絡(141215):保護者面談を受け付けます

実用英検の2次試験も終わり、生徒たちの表情にも少しずつ落ち着きが戻り始めました。

この時期を利用して、会員の保護者面談を行います。ご希望の場合はご連絡をお願いします。また、会員以外の保護者の皆様からの質問やご相談も随時受け付けます。お申し込みは「Contact」ページよりお願いいたします。

当アカデミーは、英検の取得からハイレベルな大学入試留学まで対応可能な、富山では数少ない、専任の日本人講師が主催する英語塾です。中学生には、基礎文法に加えて音読や多読、Youtube、DVD等の映像を使いながら、楽しくかつみっちりと英語と向き合える環境作りを心がけています。またすべての生徒が英検を受験し、すべての生徒で合格や得点アップの成果が出ています。

高校生に対しては、学校授業の補習からセンター試験、国公立二次、私大(超)長文読解、自由英作文まで対応します。授業では、必要に応じて文章中の単語ひとつに至るまで細かく解析をしながら、あるいはパラグラフやパッセージ全体でどのようなロジックが展開されているのか、自由英作文でどのように文章を組み立てたらよいのか等、日本人の高校生が普段あまり学べない部分にまで踏み込んで学習・解説します。

当アカデミーは、予備校の集団授業や大教室内の個別指導とは本質的に異なる授業方式をとっています。これは黙って静かに学ぶだけでは英語は身につかないと考えているからです。このような認識のもと、大学受験生に対しても、英語と日本語の発想方法の違いから、発音・発声、音読などの音声トレーニングに至るまで、読めるけど話せないということにならないよう指導しています。

英語は「わかったはスタート」でありゴールではありません。また誰に頼まれたわけでもないのに受験英語と実用英語を分けるのもナンセンスです。今はインターネットで世界の様々な情報に接することができます。使える英語を早く身に着けて今からどんどん世界に目を向けましょう。

 

実用英検 2次試験に向けた模擬面接を行います

実用英検の2次試験 (面接) が今週末に迫りました。
当アカデミーでも、ほとんどの中学・高校生が受験します。

実用英検の2次試験 (面接) は、一定の形式の下に行われるため、実際の面接の流れを体で覚えておくと気持ちが楽になると思います。

image3

たとえば、中学・高校生の受験者が多い準2級および2級では、カードの音読から受験者の意見を問う問題までが出題されます。

したがって、1). 自分の音読のレベルがどの程度か、2). カードの内容を問う問題では答えとなる情報がどこに書かれているのか、3). 答えをどのような英語で表現するか、4). 意見を言う問題にはどのように対処したらよいか等、整理しておく必要があります。

模擬面接講座は1対1の個人授業です。また当アカデミー以外の中学・高校生の受講も可能です。ご希望の方は、「Contact」ページよりご連絡ください。

2014年度第2回 実用英検1次試験で高得点

当アカデミーではすべての中学・高校生が実用英検を受験します。
ただし、最初の面談では特にお母さん方に対して以下のように伝えます。

「当アカデミーは、最初からひたすら過去問ばかりやらせて合格を誇るようなことはしません。合格は大切ですが、何よりも大切なのは、英語が楽しいと思える気持ちを持続させることであり、基本文法や試験対策以外に、多読や多聴、音読、筆写をたっぷりとやってもらいます。」

だいたい1年くらい経過すると、このような指導の結果がはっきりと表れてきます。
今回の実用英検の結果を見ても、すべての生徒でリーディングとリスニングのスコアが共に伸びています。特にリスニングのスコアの伸びが顕著で、おおむね90%以上の正答率です。

結果を見て、「なんでこれだけ点が取れたのかわからない」と言う生徒もいます。
実際、試験前に不安を口にする子もいました。

しかしこれは、当然の結果なのです。
当アカデミーでは、週に1・2回の授業がすべてではないと考えています。

そこで中高生には、日常生活で無理なく英語が吸収できるよう、折に触れて細かくアドバイスしています。これは、これだけ世界がグローバル化し、インターネットが普及していても、何もせずに良質な英語を吸収するのは難しいし、どうしたらいいかわからないと感じる生徒もいるからです。

今回の1次試験で高得点が得られたのは、過去1年間、授業計画に従って素直に多読や多聴、音読に取り組んだ結果であり、決して「運」がよかったからではありません。安心してください。

2014年度第2回 実用英検 終了

2014年度第2回実用英検が終了しました。検定協会のサイトでは解答速報も掲載されているようなので、確認してみてください。

授業では、今回の試験内容について詳細な解説を行います。生徒の皆さんは授業時に問題冊子の持参をお願いします。また、2次試験に向けた面接対策も行います。2次試験日まであまり時間はありませんが、楽しく頑張りましょう。

学習英和辞書の比較 -01

代表的な英和辞書3冊、『ジーニアス英和辞典第4版』(2006年)、『ウィズダム英和辞典第3版』(2012年)、『アドバンストフェイバリット英和辞典』(2000年)を比較します。

■「challenge」(動詞)

1.語源・原義

●ジーニアス

【源義:偽りの告訴】

●ウィズダム

記載なし

●アドバンストフェイバリット

【語源「中傷(する)が原義】

2.語義配列

●ジーニアス

①[SVO]<人が><陳述・資格など>に対して (その妥当性を) 問題にする,疑う (question); ・・・に異議を唱える,たてつく; <人>の[~に] 異議を唱える [on]
②[SVOM]<人が><人>に[試合などを]挑む[to];<人・能力など>を試す,<人に>・・・するようにと挑む,・・・する気を促す
③[軍]・・・を誰何する

●ウィズダム

1.<人が><意見・考え方など>について異議を唱える,...を疑問視する;《…について》<人に>異議を唱える《on》;〘~A to do〙A<人>が…することに異議を唱える
2.<人が><人>に挑戦する,<人>と競う;〘~A to do〙A<人>に…するよう挑む[言う];〘~A to do〙A<人>にB<勝負など>を挑む
3.<人・物などが><人など>の能力を試す,<人>をその気にさせる;〘~A to do〙A<人>を…するよう刺激する
4.誰何する.
5.〘法〙<陪審員など>を忌避する.

●アドバンストフェイバリット

①<人に>(・・・を/・・・するように)いどむ,挑戦する.
②<真偽・合法性・正当性などを>問う;・・・に異議を唱える;・・・に釈明[証明]を要求する;・・・を疑う
③<仕事などが><人・能力を>試す;<人の>興味をそそる;<人に>やる気を起こさせる;<意欲を>刺激する.
④<衛兵・警官などが><人を>呼び止める,誰何する
⑤〔法律〕<陪審員を>忌避する;⦅米⦆<投票人に>資格がないと主張する

英英辞書であるか英和辞書であるかを問わず、辞書の語義配列には、大きく分けて「歴史順」と「頻度順」の2種類があります。今回取り上げた辞書はすべて、語義配列が「頻度順」です。

今回取り上げた辞書はすべて頻度順を採用していますが、3冊を比較すると、以下のことが分かります。

■文型表示について

・ジーニアスは、[SVO]などの文型表示が行頭に明記されており、見やすく、大変便利である。

・ウィズダムとアドバンストフェイバリットは、語義の後に文型が記載されており、細かく目で追う作業が必要になる。

■語義について

・アドバンストフェイバリットを除く2冊の第一語義は「異議を唱える」である。

頻度順」の語義配列は、出版された当時の判断に基づいていますから、アドバンストフェイバリットの改訂版が出版される際には、順序が変わる可能性があります。

3.例文

最近の辞書は、世相を反映して、コミュニケーション志向が強く、語法やコロケーションその他の情報が充実しています。一方で、辞書の命は語義と例文の質だという考え方もあります。そこで次に3冊の辞書で使われている例文を見てみることにします。

先に述べたように、アドバンストフェイバリットのみ語義の順序が異なりますが、比較しやすいようにここでは共通する語義である「異議を唱える」(および同一項目内の日本語訳)について見てみます。

●ジーニアス

I didn’t think she was right, so I ~d her.

彼女が正しいと思わなかったので,彼女に異議を唱えた.

~ the juror [array]
〘法〙陪審員[全陪審員]を忌避する.

●ウィズダム

His research challenged traditional beliefs.

彼の研究は伝統的に正しいと信じられていたことに疑問を投げかけた.

We challenged the police to arresthim [on his arrest].

我々は警察が彼を逮捕することに[彼の逮捕について警察に]異議を申し立てた.

●アドバンストフェイバリット

The people challenged the government on its tax policy.

国民は政府の税制に異議を唱えた.

challenge authority [a verdict] 権威[評決]に異議を唱える.

ここでも面白いことが分かります。

1. ジーニアスの第一語義で重要語義は「問題にする」だが、例文の日本語訳は「異議を唱えた」である。

2. ウィズダムの第一語義で重要語義は「について異議を唱える」だが、例文の日本語訳は「疑問を投げかけた」である。

3.アドバンストフェイバリットの第二語義は「に異議を唱える(「問う」との間で重要度の優劣はないと判断)」であり、例文の日本語訳も「に異議を唱える」である。

普通の高校生の感覚だと、ジーニアスの第一語義で重要語義がわざわざ太字で「問題にする」となっているのに、なぜ例文の日本語訳が「問題にする」ではなく「異議を唱えた」なのか、一瞬「あれっ」と思うかも知りません。同辞書の「この辞書の使い方」には、以下の記載があります。

「語義は、説明的な訳は避け、なるべくそのまま訳語として使えるような形で示すようにした。」

太字の「問題にする」は重要語義であり、この語義がそのまま使えるような例文と日本語訳を工夫してほしいという印象です。

ウィズダムはジーニアスとは逆のパターンで語義「について異議を唱える」と例文の日本語訳「疑問を投げかけた」が異なります。

ここでも一瞬「あれっ」と思うのですが、翻訳という視点で見てみると、この「疑問を投げかけた」はジーニアス「問題にする」よりも高度な日本語訳だと思います。ひと手間かけているという印象です。

最後はアドバンストフェイバリットです。この辞書の場合、語義と日本語訳が共に「に異議を唱える」で、完全に同じです。直球勝負という印象です。