会員連絡(150427): GW中の授業について

GW中は、カレンダー通りに授業を行います。

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授業日が祭日に当たる場合は振替授業を実施します。祭日以外に欠席する場合も振替可能です。旅行等の予定がある場合は早めにご連絡ください。
詳しくは、授業時に確認します。

語源で広がる英単語の世界 – “おみやげ”は誰のもの?

世の中には、英単語はただひたすら暗記するものという考え方が一部にあるようです。実用英検を受験する際に、膨大な量の単語を覚える必要があることも理由の一つだと思います。

当アカデミーでも中学・高校生のすべてが実用英検を受験することから、対策の一環として単語の暗記に取り組みます。ちなみに、中学2年生で実用英検2級、1年生で準2級等、一般的な中学生にとっては難易度の高いレベルでの合格者を出しています。

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しかし、暗記に頼る方法は英単語を身に着けるための唯一の方法ではなく、このことは生徒にも説明しています。暗記はあくまでも試験「対策」であり、短期的な記憶の保持を目的としているにすぎません。

一方で、英単語は「暗記」や「対策」という固定観念を取り去ることでより広い世界が見えてきます。例えば、英語の母国は英国ですが、同国の大部分を占めるブリテン島は大陸から近いこともあり、古くから多くの民族が行き来を繰り返していました。このため、英単語には、元をたどればドイツ語やスカンジナビアの言語、さらにはフランス語やギリシャ語、ラテン語など多くの言語から単語が流入していることが分かります。

通常、これらの情報は辞書の語源欄に記載されています。そしてこのような情報に目を通すことで、単語の意味といった表面的な知識を超えた「語感」を養うことができます。ただ残念なことに、最近の辞書ではこのような語源の説明が省略される傾向にあります。日本の学習英和辞典は大変優れていますが、これは少し残念な点です。コミュニケーション志向の高まりとともに、辞書の役割も変化しているということでしょう。

このような時代の変化を考慮しつつ、同時により深く語彙に意識が向くよう、教室の机の上には『ジーニアス英和大辞典』を置き、生徒が自由に使えるようにしています。ちなみに、「souvenir」の欄には語源(下線部)が次のように記載されています。

●「souvenir」:

〚初18c;ラテン語 subvenir(心に浮ぶ).「sou-(・・・に)+venir(来る)=心にやってくる」〛名C〔旅・出来事などの〕記念品, みやげ(memento)〔of,from〕◇「自分の思い出のために買った物」の意で使うことが多い;

ついでに英英辞典も見てみましょう。Collind COBUILD Advanced Learner’s English Dictionary, 5th Edition, 2006ではフル・センテンスで以下のように定義されています。

A souvenir is something which you buy or keep to remind you of a holiday, place, or event.

Longman Dictionary of Contemporary English, 5th Edition, 2009 (LDCE)では以下のような例文が見つかります。

I bought a model of the Eiffel Tower as a souvenir of Paris.

洋の東西を問わず、みやげや記念品は大切にするということでしょう。ただし、「souvenir」の場合、人のためというよりは自分の思い出のためというニュアンスが強いことが分かります。18世紀以前の英単語はどうだったの? という素朴な疑問は大切にとっておきましょう(笑)。それくらいの気持ちの余裕は持っていてもいいと思います。

英単語と日本語をセットでただひたすら暗記する方法は、いわば2次元の知識の習得方法です。一方、語源やコンテクストに配慮する方法は3次元の習得方法です。すでに前者の方法を実践している場合、後者の方法に少し意識を向けることで、より深い語彙の知識が得られます。

単語を単なる暗記の対象としてしか見ない場合、特に大学入試で未知の単語に遭遇した時に苦労します。なぜなら、記憶にない単語が出たらどうしようという不安が消えることはないからであり、記憶になければその時点でお手上げになるからです。このため、普段の授業では、中学生・高校生共に、語源や語幹、接頭辞、接尾辞等を含め、コンテクストを意識しながら体系的・体感的に語彙の知識が身につくよう配慮しています。

新着テキスト – シェークスピア編

以下のテキストを入荷しました。会員の皆さんは自由に借りることができます。昨年はシェークスピア生誕450周年でした。これを機会に中学・高校生もぜひ手にとって読んでほしいと思います。劇場に行くことがベストですが、それは今後の楽しみにとっておきましょう。

1.『Macbeth: Upper Intermediate (Macmillan Readers) 』

Macbeth: Upper Intermediate (Macmillan Readers)

2.『Hamlet: Intermediate (Macmillan Readers) 』

Hamlet: Intermediate (Macmillan Readers)

3.『The Merchant of Venice: Intermediate (Macmillan Readers)』

The Merchant of Venice: Intermediate (Macmillan Readers)

Macmillan Readersのシリーズは、挿絵がきれいです。

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4.『ハムレット (研究社小英文叢書 (173)) 』

ハムレット (研究社小英文叢書 (173))

5.『ヴェニスの商人 (光文社古典新訳文庫) 』

ヴェニスの商人 (光文社古典新訳文庫)

瞬間英作文は正しい文法で

英語習得に王道はありません。ただし、個人で学習する場合は、どうしてもアウトプットが手薄になりがちです。

大学受験でも、古典的な和文英訳から自由英作文まで多様な英文ライティングが課されることから、受験生は各自の志望学部に応じたライティング力をつけておく必要があります。

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言うまでもありませんが、アウトプットの前提には豊富なインプットが必要です。その気があれば、基本的な文法と構文学習を一通り終えた後は多読の実践をお勧めします。ただし、部活等で十分な時間が確保できない場合は、簡単な例文を一定量暗記すると、後で大きく生きてくると思います。

このような考えの下、ふだんの授業では、学習進度を考慮の上、主に高校生ですが例文の暗記に取り組んでもらっています。短文の暗記はシンプルな行為のため、数か月という期限を設定すれば忙しい高校生でも十分続けられると思います。

具体的には、毎週決めた数の例文を暗記し、瞬間英作文の要領でアウトプットを行い、さらにパターンプラクティスまで実践します。

高校生の場合は大学受験を念頭に置く必要があるため、自由に話せるようになりたいという目標は持ちつつ、文法的な正確さを維持することが大切になります。テキストを選ぶ際は、英文がシンプルで、「SVO」等の文型表示が記載されているものを選ぶとよいでしょう。

Graded Readersを授業に取り入れて読解力の向上を図る

コミュニケーション志向の高まりと共に、英語学習でもスピーキングに対する意識が高まっています。当アカデミーでも、すべての生徒が英検を受験することから、毎回の授業と2次試験前の両方でスピーキングの練習をします。

一方で、今の日本の受験環境を考えると、4技能の中で一番重要なのは読解力です。大学受験、特に難関学部では出題される英語の長文化に拍車がかかっており、難易度も上昇しています。この点からも早い段階から国語力も含めた読解力をつけることが重要になります。

このような認識の下、普段の授業では生徒が気軽にリーディングに取り組めるよう、さまざまな工夫を凝らしています。

一例として、Graded Readersその他、和書・英書さまざまな書籍にいつでもアクセスできる環境を整え、ふだんの授業でも積極的に取り入れています。

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日本語であれ英語であれ、言葉というのは文脈(コンテクスト)の中で初めて命を持ちます。ドリルで文法を学び、テスト対策を行うことはもちろん重要ですが、それだけでは不十分であり、場面や状況といった生のコンテクストまで生徒の意識を向けるようにしなければなりません。

読書に対する姿勢は家庭環境が大きく影響します。ただし、過去に読書の習慣がない場合でも、カラフルな絵柄のテキストを見せるとほとんどの生徒は興味を示し、読書の習慣がついていきます。子供が本来持っている好奇心が開花するということでしょう。

授業では生徒のレベルや興味関心に応じて何冊かGraded Readersを選び、ゆっくりとしたペースで読み合わせを行い、互いに楽しく感想を述べたりします。

Graded ReadersにはCDも付属しており、ライティングやリスニングでも使用します。当アカデミーの生徒は、リーディングだけではなく、通常、中学1年終了時点で、シャドーイングやリテンションを応用したスピーキングやライティングの方法を一通りマスターします

所蔵テキスト: Adventure Stories, Travel Stories

当アカデミーの本棚には大量の本があり、初めて来た人はみなさんびっくりするようです。これらの本を置いているのは、会員の皆さんにできるだけ多く良質な本に触れてほしいからであり、人に見せびらかすのが目的ではありません。自宅にはもう置き場所がないというのは内緒です(笑)。

特に、中学・高校生の読書量の少なさには危機感を感じており、英語・日本語を問わず良質な本を紹介することも大切だと考えています。これらの本は、会員であれば学年を問わず自由に読んだり借りたりできます。

MacMIllan Readersは、Level 1 – 7 まであり、以下の2冊はその頂点に位置するLevel 7シリーズに含まれています(CEFRではC2)。個人的には旅行や単車でのツーリングが好きなこともあり、The Lawless Roads (Graham Greene)Long Way Round (E. McGregor & C. Boorman) が面白いと思います。さらには第二次大戦中の英軍パイロッについて描いたThe Sun Rises Twice (H.E. Bates) もおすすめです。ただし、平均的な英語学習者にとっては文章や語彙の難易度が高く、対象となる読者は社会人も含めた上級者ということになるでしょう。中高生向けの本もたくさんあるので、順次、ご紹介します。

  • Adventure Stories (MacMillan Literature Collections)
  • CEFR: C2

MacMillan Literature Collections Adventure Stories Advanced Level (Readers)

  • Travel Stories (MacMillan Literature Collections)
  • CEFR: C2

Travel Stories (MacMillan Literature Collections)

本番までにできること

2014年度第3回実用英検が今週末に迫りました。

残された時間は3日間ですが、3日間という時間をどのようにとらえるかは大切です。

3日間しかないから何もできないと考えるのか、3日間で何ができるかを考え、できることを実行するのとでは、結果に大きな違いが出ます。

そこで、3日間を有効に使うためにできることを挙げておきます。

1. 1日1回分の過去問を使い、「時間を計りながら」シミュレーションをする。

実用英検対策で重要なのは、過去問の使い方と時間管理の習得です。過去問は実用英検対策における生命線であり、試験に関するすべての情報を網羅しています。試験直前は、過去問だけを使って準備すればOKです。

授業では、リーディング、リスニングの各パートごとに大事なことを具体的に説明しました。

ただしこれは、理解するだけでは不十分で、時計を脇に置いて時間を図りながら、実際に問題を解くという作業が必要になります。特に時間管理は頭ではなく体で覚えることなので、実際にやってみて確認するしかありません。

時間管理は、リスニングの設問の先読みのため、リーディング終了までに5分~10分の時間を残すようにしましょう。

2.各パートごとの「解き方」を実践する。

授業ではリーディング、リスニングの各パートごとの「解き方」を学びました。特に過去1年間の問題形式について難易度別に説明しました。難易度が高い設問はそれだけ時間がかかるため、どの設問の難易度が高いかという見極めが大切になります。

リーディングでは、パラフレーズの理解が必要な問題、パラグラフやパッセージ全体の主旨を問う問題、リスニングでは最優先でメモを取るべき情報は何か、また「What is one thing…」問題など、中学・高校生にとっては難しいと思える問題についても具体的なアプローチの方法を授業で説明しました。

これらの問題は、「理解」+「実践」の両方が必要であり、過去問はそのためにあると思ってください。何度も過去問に目を通すと、初めから答えが分かっている場合もありますが、大切なのは答えを覚えているかどうかではなく、「解き方の手順」を再度確認し実践することです。授業で学んだとおりに実践すれば結果はおのずとついてきます。自信を持って臨みましょう。

2015年、始動

あけましておめでとうございます。
2015年が始まりました。

昨年は、小学生から社会人まで多くの出会いがありました。心より感謝を申し上げます。
多くの方とお会いするたびに、英語を学ぶ目的も実にさまざまであると痛感しています。

当アカデミーは、不定期で社会人も受け入れていますが、メインとなる会員は中学・高校生です(入会は小学6年生以上)。このためふだんは大学入試に焦点を合わせて指導を行っています。

つまり、中学生であれ高校生であれ、大学入学までに何を身につけなければならないかを考えながら日々授業を行っているということです。簡単に言えば、中高一貫の私塾版といったところでしょうか。ちなみに生徒や父兄にお渡しする名刺や説明書類には “For All Academically Ambitious Students” と書いてあります。これは社会人と異なり、中学・高校生の場合は知識の習得と英語の習得を並行して高めていくことが大切と考えているからです。

このため、中身を無視し、スキルのみを強調して英語を捉える考え方とは距離を置いています。当然ですが、これは実践的な英会話の習得を否定するということではありません。事実、ふだんの授業では他のどの私塾にも負けないくらいリスニングや音読、会話練習に時間をさき、さらには発音矯正まで行います。このため、英検を受験するほとんどの生徒が予想以上の高得点を得ています。また、海外の研修等に自分の意志で参加したりと、英語を通してできること、やりたいことを各自がエンジョイできるよう助言しています。

中学生の場合は、異文化である英語を通して、世界に目を向け、多様な価値観があることを知ってもらうこと、家庭での読書や学習習慣をつけること、講師との1対1の対話を通して臆することなく自分の意見を言えるようになること、これらを最優先に掲げて指導しています。特に、高校卒業までの学習期間が6年あることから、これらの期間を通して英語学習を楽しく感じてもらえるよう工夫しながら授業を行っています。テキストもCEFRに準拠したものを使用し、習熟度がわかるよう配慮しています。

高校生の場合、今の時代第一に身に着けなければならないのは、「自分の頭で批判的にものを考える」習慣です。ITやインターネットがこれだけ普及した時代においては、前世紀の「インデックス型・記憶中心型」の頭脳はそれほど重要ではなくなります。なぜなら、調べたいことはGoogleで検索すれば済むからです。したがって授業では、今の学校授業で手薄になりがちな伝統的な英文解釈や英作文にたっぷり時間をかけて取り組みます。こうすることで「英文と対話」する感覚を養い、「仮説を立てて検証」することの大切さを学びます

暗記型の知識をすべて否定しているわけではありません。大きなスタンスとして、これからの時代においてより大切なのは、周りに流されない「個」としての人格や知性を磨くことであり、そのためには、大量の情報から本物の知性を探す能力と批判的なものの考え方を身に着ける必要があるということです。「知」に対するこのような姿勢は、かつての日本人がそうであったように、今でも気持ちひとつで十分持つことができると思います。

当アカデミーでは本年も志を大切にする生徒を全力で応援します。楽しく頑張りましょう!