会員連絡(181026):実用英検(2018年度第2回)の解説をします

実用英検・一次試験(2018年度第2回)が無事終了し,当塾では現在,二次試験合格に向けて授業を行っているところです.二次試験まで時間があまりないので,授業では音読や面接の練習を中心に進めていますが,必要に応じ,1級と準1級を中心に一次試験の見直しも行います.

今,問題冊子を見ながら分析を行っているところですが,今回も非常に興味深いテーマが出題されました.特に,1級ライティングのテーマ ‘Has a university degree in the humanities lost its relevance in today’s world?’ は素晴らしいですね.前回のテーマ ‘Agree or disagree: Japan will benefit overall from hosting the 2020 Summer Olympics?’ と比較すると,抽象度のレベルが高く,やはり普段から地道に物事を考えていないと,即座に3つの理由を提示するのは難しいかもしれません.私自身は,このテーマを見た途端,拍手を送りたい気分になりました.

普段から生徒には,傾向や対策といった表面的なテクニックのみを求めて彷徨うのではなく,世の中の動きや歴史に目を向け,なぜこのようなテーマが出題されるのか,出題者は受験者の何を見極めたいのか,じっくり英文と対話するよう意識づけを図っています.安易でお手軽な方法がもてはやされるこの時代に,高度な英文と格闘し,自らの意見を述べさせることが指導方法として適切なのかどうか,自問自答する毎日ですが,そのようなやり方に付いてきてくれる生徒がたとえ少数でもいる限りは,地道に頑張って指導を続けようと思います.

以下は,私が大学生(学部生)のときに,所属ゼミで指定された参考文献の一部ですが,これらは,私がその後大学院で研究したり,人生を生きていく上で,まさに糧となった「人文・社会科学」の名著です.

自由からの逃走 新版

ナチズム時代の大衆・心理分析を通して,なぜ人々が自由を捨て,自ら独裁政治に身を委ねることになったのか,社会心理学の観点から検証しています.いつの時代も,人は自由を求める一方,人と違うことには強い抵抗を覚えるのかもしれません.

歴史とは何か (岩波新書)

History is an unending dialogue between the past and present(歴史とは,過去と現在との不断の対話である)” というフレーズが有名.歴史の碩学がどのように過去や現代を見ているのか,言い換えれば,彼ら歴史家の目を通して歴史を見ることで,学べることは多いと思います.

危機の二十年――理想と現実 (岩波文庫)

どこの国でも,またいつの時代でもそうですが,国際政治について冷静に議論することは難しいのだと思います.第一次大戦の惨禍を経験した国々が,なぜ戦後の平和な時代に別れを告げ,第二次大戦の道へと歩み寄っていったのか,孤独と絶望の中で,迫り来る戦争の時代を著者は怜悧に見据えています.

実用英検一次試験(2018年度第2回)が実施されました

昨日,英検一次試験(2018年度第2回)が無事実施されました.
今年度は,春の試験を受験する生徒が多かったので,今回の秋の試験では数名が2級と準1級を受験しました.

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ちなみに準1級を受験したのは,高校1年生です.本格的に試験対策を開始したのは夏休みに入ってからですが,高校1年生にとって準1級の内容はハイレベルです.通常,授業では分量が手頃なリスニング・スクリプトの精読から開始しますが,歴史やIT,海外の大学事情等,普通に富山でのんびり生活している限り知らない内容ばかりです.

そのような中,この生徒は毎回欠かさず予習・復習してくれました.試験後の感想では,手応えも感じているようなので,早速二次対策に移行する旨伝えました.

実用英検の素晴らしいところは(国連英検もそうです),周りの目を気にすることなく,思う存分「自己主張」できるところです.しかも正解は一つではありません.自分で意見を考え,筋道立てて話をする,このような力は,学校の授業だけで身に付けることは難しいと思います.学校のテストや模擬試験の結果も大事ですが,より多くの高校生が,英検上位級の学習・取得を通して,臆することなく,自己主張できる人間に成長してほしいと思います.

社会人受講生:国立大学医学部編入試験(一次)合格!

また嬉しい知らせが入って来ました.
3ヶ月間,当塾で学んだ社会人の方が,国立大学医学部編入試験の一次試験に無事合格しました.

当塾は受講生の多くが高校生です.したがって授業内容は,発音・音読練習から読解・英作文,英検やTEAP,留学を希望する生徒の場合はTOEFLの受験対策やエッセイのライティングなどが中心です.

そのような中,3ヶ月ほど前,医学部編入を目指す社会人の方からメールをいただきました.話によると,去年いくつかの大学の編入試験を受験したが合格には至らなかったこと,合否の鍵が英語であること,英語学習で非常に悩んでいるとのことでした.

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面談を行い,いろいろ話をしましたが,本気で医師を目指していることがわかりました.この方は過去に大学を卒業しており,医学部編入は大きなキャリア・チェンジとなります.プライベートな面まで話を伺い,退路を断って行動していることに心を打たれました.

さっそく指導を開始しましたが,いくつか気付いたことがありました.これまでにも,英検のリーディングが苦手という社会人の方々を見てきましたが,そのような方々に共通点した特徴です.

細かな話は控えますが,概ね以下の通りです.

1. 音声に対する意識が希薄である,あるいはまともに音読ができない.また読む速度が遅い.普段リスニングをしていない等.
2. パッセージやパラグラフの構成(センテンスとパラグラフ,パラグラフ同士の関係等)が理解できていない.
3. 設問で正解を得ることを優先する一方,英文そのものが読めていない,あるいは読めた気になっている.
4. 細かな情報は比較的理解できるが,全体の主旨をまとめることが苦手である.

今回受講した方の場合,上記4つのすべてで改善が必要と判断しました.また,多少の手応えが実感できるまで最低3ヶ月はかかると話しました.授業では,まずは高校生と同様,基本に立ち返り,最初に1パラグラフずつ音読し,その後ですべての英文について精読する作業を続けました.

使用したテキストは主に志望校の過去問で,出典はScienceNature等の医学・科学系の専門誌です.学生時代に語学と国際政治学を学んだ私にとっては専門外の内容であるため,私自身も予習に相応の時間を割きました.ただし出題の傾向云々ではなく,あくまでも英文リーディングの観点から指導することに専念しました.

多少の手応えを感じるようになったのは,1ヶ月ほど経ってからです.最初の頃とは異なり,説明の仕方や内容が見違えるように整理されています.成長の跡が見られること,自信を持って続けようと励ますと嬉しそうな表情.本人は,設問の内容や正解の根拠がわかりにくいと感じているようでしたが,もう少し辛抱し,当面は英文リーディングの精度を上げることに専念しようと話しました.

その後はリーディングの精度が上がってきたのが確認できたため,速度を上げる方法を指導しました.英語であれ日本語であれ,特に論文の場合はパッセージ全体を貫く一本の「筋道」があります.微細な情報に煩わされることなく,本筋を読み取るにはどうすればいいのか,頭の働かせ方をトレーニングしました.高校生にも言っていることですが,きちんと読めていれば,全体を読み終わった時に「目の前の視界がクリア」に感じられるはずです.この方の場合も,入塾した頃とは違って,少しずつではありますが,表情が明るくなっていきました.

英作文を除き,最低限の内容は指導できたと判断し,普段通りの気持ちで受験してくればいいと,本人を送り出しました.本人が抱える不安や緊張を全て取り除くことはできませんが,落ち着いて取り組めば必ずいい結果が期待できると思いながら,私も高校生中心の授業に戻りました.

最後の授業から2週間近く経った頃です.久しぶりのメールなので私も緊張しながらiPadの画面をタップしました.第一報は,「***大学の一次試験を通過しました!」です.

文面から,本人の嬉しそうな表情が目に浮かびます.次は二次試験ですが,面接でプレゼンをする必要があるとのことです.ここから先は本人次第です.頑張ってください.

高校2年生:準1級,中学2年生:2級(実用英検:2018年度第1回)合格!

実用英検(2018年度第1回)二次試験の合否が発表されました.
最終的には,準2級を受験した小学2年生を除き,全ての受験者が無事合格しました.この2年生の生徒も合格にわずか1点足りないだけです.次回は大丈夫でしょう.

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準1級に合格した高校生は,高校が主催した米国研修の最中にお母さんからメールで合格を知らされたとのことです.二次試験直後は自信がなかったと話しており,合否発表のことも忘れていたようです.いずれにせよ,学校の課題や部活で忙しい中よく頑張ったと思います.

2級に合格した中学2年生は,合格は間違いないと見ていたので,特に心配はしていませんでした.同じく2級に合格した高校2年生も,3級,準2級,2級と順調にステップアップしています.3級に合格した中学1年生は,入塾前に2回不合格になっていますが,入塾後は1回の受験で合格しています.

いつも言っていることですが,合格は喜ばしいことですが,しばらく経てば忘れます.英字新聞やペーパバックを読む,ポッドキャストのリスニングを日課にする等,普段の生活でできることはたくさんあります.合格後は生活そのものを向上させる意識を持ちましょう.

実用英検(2018年度第1回)一次試験,嬉しい結果となりました.

実用英検(2018年度第1回),一次試験の合否が判明しましたが嬉しい結果となりました.以下の通り,今回は3級から準1級まで合格者が出ています.

  • 準1級:高校2年生
  • 2級:高校2年生,中学2年生(リスニング満点!
  • 準2級:中学2年生,小学2年生!
  • 3級:小学5年生
  • いつも通り,リスニングの平均正答率は9割を超えており,2級を受験した中学2年生は満点を取得しています.

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    当塾では指導の中心を高校生に設定していますが,ここ最近は英検上位級に合格したいという中学生からの問い合わせや要望が増えています.入塾前に2回3回と不合格になり,当塾の門を叩く生徒もいます.そのような生徒たちが満面の笑みで合格を報告する姿は,大きな励みになります.もちろん,何事にも完璧はありません.指導者の立場で言うと,他ならぬ私自身が楽しく学び続けること,またそのような姿勢を見せることが何よりも大切だと考えています.

    あと,今までブログで触れることはなかったのですが,実は当塾には小学2年生の生徒がいます.小学生しかも低学年の指導経験がなかったため,当初は受け入れるかどうか迷ったのですが,お母さんとのやりとりの中で語学習得に対する価値観が共有できると判断し,かれこれ1年以上指導を続けています.ちなみに指導は月に1回ペースです.

    この生徒の場合,日本語・英語を問わず,読書に対する意欲がとても自然で,かつ強いことが特徴です.授業では,日々読んだ本について報告してもらい,お母さん同席のもと音読や書き取りをしています.今はさまざまなGraded Readersが入手できるので,楽しみながら力をつけることができます.英語を早く学ぶことで母語である日本語に悪影響が生じるのではないかという懸念も耳にしますが,この生徒の場合,日本語による圧倒的な読書量があるため,そのような心配は杞憂に終わるのではないかと思います.

    また,毎年中学2年生の2級合格者がいることから,高校生については,標準的な到達目標を準1級に設定しています.個人的にも2級程度では物足りないだろうというスタンスですので,志が高い高校生の入塾は大歓迎です.

    高校生の場合,英語だけに集中することができない中,皆よく頑張っていると思います.部活や学校の課題で忙しく,精神的・肉体的に不安定になり,受験を躊躇することもあったと思います.そのような中,気持ちを奮い立たせて受験会場に向かうという選択が結果的にプラスに働いたのだと思います.二次試験は高校の期末試験と重なるので,今回受験するかどうかは自分で決めて良いと話しています.もし行くのであれば,結果を気にせず,面接官とのやりとりを楽しむつもりで臨んでください.

    会員連絡(180605):実用英検(2018年度第1回)の解説をします

    2018年度第1回,実用英検一次試験が無事終了しました.受験した皆さん,お疲れ様です.
    当塾でも,月曜日以降,順次生徒たちから感想を聞いています.
    手応えを感じた人から,気持ちを切り替えて次回頑張ると決めている人まで様々のようです.

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    授業では,特に1級,準1級,2級の問題を使って,細かく解説を行います.
    解答テクニックも大切ですが,問題文に込められた時代認識やメッセージについて思索し,自分の意見を持つことはもっと大事です.いつも言っていることですが,英検の問題は,自分自身の考えを磨くための良質な素材です.大いに活用しましょう.

    ざっと見ただけですが,ライティングについては比較的書きやすいテーマが多かったという印象です.特に1級は,国際的なテーマではあるものの,安全保障や民主主義といったハイ・ポリティックスな内容ではないため,リーズ二ングの設定もしやすかったのではないでしょうか.いずれにせよ,書き直しができない本番環境下で書いた内容が現在の実力です.英検後の授業で一人一人添削するので,会員の皆さんは試験時に作成したライティングの原稿を清書して持参してください.

    携帯メールでのお問い合わせ:ご注意をお願いいたします

    メールでお問い合わせの際は,こちらからのメールが確実に届くよう,
    「受信設定」等,ご注意をお願いいたします.

    特に,携帯電話会社のメール・アドレス(****@ezweb.ne.jp, ****@docomo.ne.jp, ****@softbank.ne.jp等)をご使用の場合,こちらから返信したメールが迷惑メールと判断されないようご注意ください.

    通常,お問い合わせをいただいてから「24時間以内」にご返事を差し上げています.
    「24時間」を過ぎてもこちらからのメールが届いていない場合は,プロバイダのアドレスやPCメール(****@gmail.com, ****@outlook.com)をご使用ください.

    また,こちらからのメールが届いている場合は,ご返事をいただけると助かります.

    以上,よろしくお願いいたします.

    大学編入に向けて必要なこと

    当塾で在籍生の中核をなすのは高校生です.しかし同時に,なんらかの理由で大学の編入を目指す受講生が一定数在籍しています.これまでにも国立高専や専門学校に通いながら編入を予定している人がいましたし,すでに大学を卒業し,医学部への編入に向けて猛勉強している人もいます.

    当塾開校以前にも,4年生大学への編入を目指す人を東京で指導したことがありますが,本気で編入を勝ち取るにはいくつか考えておかなければならないことがあります.

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    1. 周りに刺激を与えられる存在を目指す

    一般的な大学入試は,複数科目で受験します.一方,編入試験の試験科目は,大抵「外国語(英語)+専門科目」の2教科です.つまり “たった2教科” で一次(筆記)試験の合否が決まるということです.これはすなわち,教養過程レベルの知識は,身についていて当然とみなされるいうことです.加えて,外から入ってくる学生としてどのような刺激を与えてくれるのかが期待されます.要は,研究室やゼミの学生たちに対してどのように貢献してくれるのかということも合否の判断材料になるということです.

    2. 指導教授の目線で考えてみる

    世間のイメージとは異なり,大学教員の多くは授業以外の事務処理や雑務で忙しいと思っておいてください.編入試験は,わざわざそれだけのために時間を割き,教授たちを招集して行われます.指導教授目線で言えば,相応の知識や学力,向上心を備えた受験者でないと受け入れたいとは思わないでしょう.編入後は早い段階で(夏合宿等で)口頭発表の機会が訪れます.このため,編入前の段階から専攻分野に関する勉強を十分に積み重ねておく必要があります.

    3. 英語力・専門知識の両方を深めておく

    理想論に聞こえるかもしれませんが,大学は専攻を決めて学問する場です。担当教授の専門は何か、所属後にどのようなテキストを使用するかを確認し、入学前から少しずつテキストの読み込みをしておきましょう。特に国際関係のゼミであれば,英語文献のリーディングは当たり前です.本気で編入を目指す人は,専門分野の文献の読み込みをしつつ,最低でも英検準1級の取得を目指してください.

    4. 準備の段階から編入先の学生になったつもりで取り組む

    要は,準備の段階からすでに編入希望先の学生になったつもりで学びを開始するということです.今はオンラインで各大学のシラバスが閲覧できる場合があります.どのような研究者がいるのか,どのような研究をしているのか,いくらでも情報を得ることができます.まずは自分が動くことで,目の前の状況が変化するのだと思います.

    実用英検解説: 準1級リーディング編-1 (2017-3)

    実用英検は一次試験が終了し,当塾の生徒は二次試験に向けて口頭練習に励んでいるところです.
    同時に,授業では一次試験の内容についても必ず見直すようにしています.そこで,ここでは生徒から出された質問や疑問点をもとに,準1級問題(2017年度第3回)について何点か解説したいとします.

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    大問2: Minimalism: Is Less Really More?

    パッセージ全体で,段落ごとにそれぞれの主張が簡潔かつ明快に述べられていることに気づきますか? 第1段落はミニマリストの主張,第2段落と第3段落はミニマリストに対する批判となっています.非常にはっきりとした論理の流れが見えると思います.

    設問(26)は,3行目の”however”以降,”not only”以降の内容と,(26)以降の関係が問われています.”bold claim”, “more satisfying”などの表現から,ここはミニマリストの主張を支える思想的な部分をさらに深く掘り下げていることがわかるかどうか.辞書には”In fact”の欄に,「さらに言うならば」などの表現が見つかると思います.また,(26)前後のロジックが単純な順接であると解釈し,”In this way”にマークした受験者もいるかもしれません.

    第2段落は第1段落の主張に対する第1の反論ですが,その主旨は,「物が多すぎること(と同じかあるいはそれ)以上に,物を持たないことが,人間の感情に悪影響を与える可能性がある」です.最終行”just as strongly as”の”as,,,as…”は,「…(同じか)それ以上に,,,」です.

    文末が”can”で終わっていますが,この点はどう解釈すればいいのでしょうか.比較級の文では,言わなくても(or書かなくても) わかる内容は省略します.ここまでいえばもうわかりますね.

    第3段落は第1段落の主張に対する第2の反論ですが,ここは英文・内容ともに平易なので,細かな解説は割愛します.段落の主旨は,「貧しさゆえに物が持てない人たちとは異なり,ミニマリストは自らの選択として物を持たないのであり,必要であればいつでも手に入れられる.従って,ミニマリズムは実際にはミニマルではない」です.

    以上,大問2: Minimalism: Is Less Really More?について簡単に解説しました.大切なのは,”In fact”や”as…as,,,”の例で述べたように,よく目にする簡単な表現ほどきちんと辞書で確認するということです.結果として正解が得られた場合でも,まぐれや偶然に依存しないで済むよう,気になった箇所は必ず見直しをしましょう.

    次回は,大問3: New Zealand Pest Controlを取り上げます.ここでも複数の生徒から,「本文中にわかりにくい箇所がある」との感想が寄せられています.

    あけましておめでとうございます

    新年あけましておめでとうございます.旧年中は多くの生徒や受講者に恵まれ,充実した一年でした.本年もどうぞよろしくお願いいたします.

    さて,生徒の皆さんは充実した冬休みを過ごしているものと思います.多くの人は,県外に出かけるようです.聞いた範囲では,TDLや海外旅行,さらにはアイドルのコンサートまで,皆さん予定がびっしり入っているようです.

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    私はといえば,毎年正月はどこにも出かけず,積読状態の本を少しでも処理することを最優先にしています.最近は,Amazonや紀伊国屋で衝動買いした本をスピーディーに読了することが,普段の生活の中で大きな課題になっているのですが,日々雑務に追われてなかなか思うように進まず,困っています.

    ちなみに今メインで読んでいるのは以下の三冊です.

    1. Freedom Betrayed: Herbert Hoover’s Secret History of the Second World War and Its Aftermath

    米国第31代大統領の回顧録.最近邦訳が出ましたが, Kindle版が安価なので原文を読み進めています.900ページ以上ありますが,半分程度まで進みました.

    2. 外交感覚 ― 時代の終わりと長い始まり

    京都大学で国際政治学を教えていた故高坂正堯教授の同時代史的考察を集めた時事評論集.私自身が大学・大学院で国際政治学を学んでいた時期と重なる部分もあるので,当時のことを思い出しながらゆっくり読み進めています.

    3. 英語のセンスを磨く――英文快読への誘い (岩波現代文庫)

    著者である行方昭夫氏の著作は大体目を通していると思いますが,黄色い表紙の旧版がとても勉強になったので,今回も迷うことなく購入.題材となる英文素材も一部刷新されており,新鮮な気持ちで楽しめそうです.高度な英文読解力を身につけたい人や翻訳を仕事にしたい人は一度書店で手に取って見てみましょう.本書以外にも,少し古いですが,『英語の読み方,味わい方』もおすすめです.

    あとは,未読のペーパーバックやKindle本が大量にあります.例えばThe Lawless Roads (Vintage Classics) (Graham Greene, 一部はTravel Stories (MacMillan Literature Collections)に収録), Night Without End (Alistair MacLeen, Oxford Bookwormsにもある.映画化されたWhere Eagles Dareも傑作)なども冒頭部分しか目を通せていません.Timeや英字新聞以外に,優れた英文を日々インプットすることはとても重要だと考えていますが,なかなか落ち着いて読書に集中する時間が取れません.やはり今年も隙間時間を有効に使うことが最大の課題となりそうです.

    複数の生徒が,学校の課題図書としてA Christmas Carol (Oxford Bookworms Library. Classics. Stage 3)を読むよう言われているようです.2学期中は当塾の授業でもJulius Caesarその他Shakespeareの作品を一緒に読み進めました.高校入学後早い段階で英語圏の古典に触れるのはいいことです.Graded Readersであればそれほど苦労せずに読めると思います. 旅行に出かける人は,移動の車中で読むことができます.願わくば,このような課題をきっかけに,読みたい本を自分で選べるようになってほしいものです.