実用英検(2018年度第1回)一次試験,嬉しい結果となりました.

実用英検(2018年度第1回),一次試験の合否が判明しましたが嬉しい結果となりました.以下の通り,今回は3級から準1級まで合格者が出ています.

  • 準1級:高校2年生
  • 2級:高校2年生,中学2年生(リスニング満点!
  • 準2級:中学2年生,小学2年生!
  • 3級:小学5年生
  • いつも通り,リスニングの平均正答率は9割を超えており,2級を受験した中学2年生は満点を取得しています.

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    当塾では指導の中心を高校生に設定していますが,ここ最近は英検上位級に合格したいという中学生からの問い合わせや要望が増えています.入塾前に2回3回と不合格になり,当塾の門を叩く生徒もいます.そのような生徒たちが満面の笑みで合格を報告する姿は,大きな励みになります.もちろん,何事にも完璧はありません.指導者の立場で言うと,他ならぬ私自身が楽しく学び続けること,またそのような姿勢を見せることが何よりも大切だと考えています.

    あと,今までブログで触れることはなかったのですが,実は当塾には小学2年生の生徒がいます.小学生しかも低学年の指導経験がなかったため,当初は受け入れるかどうか迷ったのですが,お母さんとのやりとりの中で語学習得に対する価値観が共有できると判断し,かれこれ1年以上指導を続けています.ちなみに指導は月に1回ペースです.

    この生徒の場合,日本語・英語を問わず,読書に対する意欲がとても自然で,かつ強いことが特徴です.授業では,日々読んだ本について報告してもらい,お母さん同席のもと音読や書き取りをしています.今はさまざまなGraded Readersが入手できるので,楽しみながら力をつけることができます.英語を早く学ぶことで母語である日本語に悪影響が生じるのではないかという懸念も耳にしますが,この生徒の場合,日本語による圧倒的な読書量があるため,そのような心配は杞憂に終わるのではないかと思います.

    また,毎年中学2年生の2級合格者がいることから,高校生については,標準的な到達目標を準1級に設定しています.個人的にも2級程度では物足りないだろうというスタンスですので,志が高い高校生の入塾は大歓迎です.

    高校生の場合,英語だけに集中することができない中,皆よく頑張っていると思います.部活や学校の課題で忙しく,精神的・肉体的に不安定になり,受験を躊躇することもあったと思います.そのような中,気持ちを奮い立たせて受験会場に向かうという選択が結果的にプラスに働いたのだと思います.二次試験は高校の期末試験と重なるので,今回受験するかどうかは自分で決めて良いと話しています.もし行くのであれば,結果を気にせず,面接官とのやりとりを楽しむつもりで臨んでください.

    会員連絡(180605):実用英検(2018年度第1回)の解説をします

    2018年度第1回,実用英検一次試験が無事終了しました.受験した皆さん,お疲れ様です.
    当塾でも,月曜日以降,順次生徒たちから感想を聞いています.
    手応えを感じた人から,気持ちを切り替えて次回頑張ると決めている人まで様々のようです.

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    授業では,特に1級,準1級,2級の問題を使って,細かく解説を行います.
    解答テクニックも大切ですが,問題文に込められた時代認識やメッセージについて思索し,自分の意見を持つことはもっと大事です.いつも言っていることですが,英検の問題は,自分自身の考えを磨くための良質な素材です.大いに活用しましょう.

    ざっと見ただけですが,ライティングについては比較的書きやすいテーマが多かったという印象です.特に1級は,国際的なテーマではあるものの,安全保障や民主主義といったハイ・ポリティックスな内容ではないため,リーズ二ングの設定もしやすかったのではないでしょうか.いずれにせよ,書き直しができない本番環境下で書いた内容が現在の実力です.英検後の授業で一人一人添削するので,会員の皆さんは試験時に作成したライティングの原稿を清書して持参してください.

    携帯メールでのお問い合わせ:ご注意をお願いいたします

    メールでお問い合わせの際は,こちらからのメールが確実に届くよう,
    「受信設定」等,ご注意をお願いいたします.

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    また,こちらからのメールが届いている場合は,ご返事をいただけると助かります.

    以上,よろしくお願いいたします.

    大学編入に向けて必要なこと

    当塾で在籍生の中核をなすのは高校生です.しかし同時に,なんらかの理由で大学の編入を目指す受講生が一定数在籍しています.これまでにも国立高専や専門学校に通いながら編入を予定している人がいましたし,すでに大学を卒業し,医学部への編入に向けて猛勉強している人もいます.

    当塾開校以前にも,4年生大学への編入を目指す人を東京で指導したことがありますが,本気で編入を勝ち取るにはいくつか考えておかなければならないことがあります.

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    1. 周りに刺激を与えられる存在を目指す

    一般的な大学入試は,複数科目で受験します.一方,編入試験の試験科目は,大抵「外国語(英語)+専門科目」の2教科です.つまり “たった2教科” で一次(筆記)試験の合否が決まるということです.これはすなわち,教養過程レベルの知識は,身についていて当然とみなされるいうことです.加えて,外から入ってくる学生としてどのような刺激を与えてくれるのかが期待されます.要は,研究室やゼミの学生たちに対してどのように貢献してくれるのかということも合否の判断材料になるということです.

    2. 指導教授の目線で考えてみる

    世間のイメージとは異なり,大学教員の多くは授業以外の事務処理や雑務で忙しいと思っておいてください.編入試験は,わざわざそれだけのために時間を割き,教授たちを招集して行われます.指導教授目線で言えば,相応の知識や学力,向上心を備えた受験者でないと受け入れたいとは思わないでしょう.編入後は早い段階で(夏合宿等で)口頭発表の機会が訪れます.このため,編入前の段階から専攻分野に関する勉強を十分に積み重ねておく必要があります.

    3. 英語力・専門知識の両方を深めておく

    理想論に聞こえるかもしれませんが,大学は専攻を決めて学問する場です。担当教授の専門は何か、所属後にどのようなテキストを使用するかを確認し、入学前から少しずつテキストの読み込みをしておきましょう。特に国際関係のゼミであれば,英語文献のリーディングは当たり前です.本気で編入を目指す人は,専門分野の文献の読み込みをしつつ,最低でも英検準1級の取得を目指してください.

    4. 準備の段階から編入先の学生になったつもりで取り組む

    要は,準備の段階からすでに編入希望先の学生になったつもりで学びを開始するということです.今はオンラインで各大学のシラバスが閲覧できる場合があります.どのような研究者がいるのか,どのような研究をしているのか,いくらでも情報を得ることができます.まずは自分が動くことで,目の前の状況が変化するのだと思います.

    実用英検解説: 準1級リーディング編-1 (2017-3)

    実用英検は一次試験が終了し,当塾の生徒は二次試験に向けて口頭練習に励んでいるところです.
    同時に,授業では一次試験の内容についても必ず見直すようにしています.そこで,ここでは生徒から出された質問や疑問点をもとに,準1級問題(2017年度第3回)について何点か解説したいとします.

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    大問2: Minimalism: Is Less Really More?

    パッセージ全体で,段落ごとにそれぞれの主張が簡潔かつ明快に述べられていることに気づきますか? 第1段落はミニマリストの主張,第2段落と第3段落はミニマリストに対する批判となっています.非常にはっきりとした論理の流れが見えると思います.

    設問(26)は,3行目の”however”以降,”not only”以降の内容と,(26)以降の関係が問われています.”bold claim”, “more satisfying”などの表現から,ここはミニマリストの主張を支える思想的な部分をさらに深く掘り下げていることがわかるかどうか.辞書には”In fact”の欄に,「さらに言うならば」などの表現が見つかると思います.また,(26)前後のロジックが単純な順接であると解釈し,”In this way”にマークした受験者もいるかもしれません.

    第2段落は第1段落の主張に対する第1の反論ですが,その主旨は,「物が多すぎること(と同じかあるいはそれ)以上に,物を持たないことが,人間の感情に悪影響を与える可能性がある」です.最終行”just as strongly as”の”as,,,as…”は,「…(同じか)それ以上に,,,」です.

    文末が”can”で終わっていますが,この点はどう解釈すればいいのでしょうか.比較級の文では,言わなくても(or書かなくても) わかる内容は省略します.ここまでいえばもうわかりますね.

    第3段落は第1段落の主張に対する第2の反論ですが,ここは英文・内容ともに平易なので,細かな解説は割愛します.段落の主旨は,「貧しさゆえに物が持てない人たちとは異なり,ミニマリストは自らの選択として物を持たないのであり,必要であればいつでも手に入れられる.従って,ミニマリズムは実際にはミニマルではない」です.

    以上,大問2: Minimalism: Is Less Really More?について簡単に解説しました.大切なのは,”In fact”や”as…as,,,”の例で述べたように,よく目にする簡単な表現ほどきちんと辞書で確認するということです.結果として正解が得られた場合でも,まぐれや偶然に依存しないで済むよう,気になった箇所は必ず見直しをしましょう.

    次回は,大問3: New Zealand Pest Controlを取り上げます.ここでも複数の生徒から,「本文中にわかりにくい箇所がある」との感想が寄せられています.

    あけましておめでとうございます

    新年あけましておめでとうございます.旧年中は多くの生徒や受講者に恵まれ,充実した一年でした.本年もどうぞよろしくお願いいたします.

    さて,生徒の皆さんは充実した冬休みを過ごしているものと思います.多くの人は,県外に出かけるようです.聞いた範囲では,TDLや海外旅行,さらにはアイドルのコンサートまで,皆さん予定がびっしり入っているようです.

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    私はといえば,毎年正月はどこにも出かけず,積読状態の本を少しでも処理することを最優先にしています.最近は,Amazonや紀伊国屋で衝動買いした本をスピーディーに読了することが,普段の生活の中で大きな課題になっているのですが,日々雑務に追われてなかなか思うように進まず,困っています.

    ちなみに今メインで読んでいるのは以下の三冊です.

    1. Freedom Betrayed: Herbert Hoover’s Secret History of the Second World War and Its Aftermath

    米国第31代大統領の回顧録.最近邦訳が出ましたが, Kindle版が安価なので原文を読み進めています.900ページ以上ありますが,半分程度まで進みました.

    2. 外交感覚 ― 時代の終わりと長い始まり

    京都大学で国際政治学を教えていた故高坂正堯教授の同時代史的考察を集めた時事評論集.私自身が大学・大学院で国際政治学を学んでいた時期と重なる部分もあるので,当時のことを思い出しながらゆっくり読み進めています.

    3. 英語のセンスを磨く――英文快読への誘い (岩波現代文庫)

    著者である行方昭夫氏の著作は大体目を通していると思いますが,黄色い表紙の旧版がとても勉強になったので,今回も迷うことなく購入.題材となる英文素材も一部刷新されており,新鮮な気持ちで楽しめそうです.高度な英文読解力を身につけたい人や翻訳を仕事にしたい人は一度書店で手に取って見てみましょう.本書以外にも,少し古いですが,『英語の読み方,味わい方』もおすすめです.

    あとは,未読のペーパーバックやKindle本が大量にあります.例えばThe Lawless Roads (Vintage Classics) (Graham Greene, 一部はTravel Stories (MacMillan Literature Collections)に収録), Night Without End (Alistair MacLeen, Oxford Bookwormsにもある.映画化されたWhere Eagles Dareも傑作)なども冒頭部分しか目を通せていません.Timeや英字新聞以外に,優れた英文を日々インプットすることはとても重要だと考えていますが,なかなか落ち着いて読書に集中する時間が取れません.やはり今年も隙間時間を有効に使うことが最大の課題となりそうです.

    複数の生徒が,学校の課題図書としてA Christmas Carol (Oxford Bookworms Library. Classics. Stage 3)を読むよう言われているようです.2学期中は当塾の授業でもJulius Caesarその他Shakespeareの作品を一緒に読み進めました.高校入学後早い段階で英語圏の古典に触れるのはいいことです.Graded Readersであればそれほど苦労せずに読めると思います. 旅行に出かける人は,移動の車中で読むことができます.願わくば,このような課題をきっかけに,読みたい本を自分で選べるようになってほしいものです.

    中学1年生 実用英検準2級 合格!

    2017年度第2回実用英検二次試験の結果が発表されました.今回も当塾では中学生と高校生が受験しました.

    結果は,中学1年生と高校1年生が準2級,同じく高校1年生が2級にそれぞれ合格しました.これらの生徒はすべて初回受験,しかも一次・二次共にストレートで合格しています.準2級に合格した中学1年生のCSEスコアは「GP2 +4」でした.ちなみにこの生徒は英検の受験自体が初めての経験です.本当によく頑張ったと思います.

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    準1級については高校1年生が受験しましたが,残念ながらあと一歩合格に至りませんでした.しかし,日々学校の課題をこなし,英語だけに集中できない中,時間を捻出して学習・トレーニングに取り組む姿勢は大いに評価すべきであり,CSEスコアも合格圏内です.自信をもって学習を続けましょう.

    授業では,各級の試験内容にはっきりとした「型と傾向」があることを細かく解説しています.ただし当塾では英検対策前に最低半年から1年間は地道に語彙や精読に取り組み,音読や写筆,辞書を使った例文の書き取りをたっぷりこなしてもらいます.要は,順番をはき違えないで地道に取り組むことが大切ということです.

    今回残念な結果に終わった人も,ゴールは間近です.授業で学んだ手順を無意識のレベルで再現できるまで,今後も一緒に楽しく学習・トレーニングを続けましょう.

    会員連絡 (171010): 2017年度第2回実用英検の解説をします

    2017年度第2回実用英検の一次試験が無事終了しました.
    当塾でも,4級から準1級,1級まで,小学生から高校生が受験しました.

    問題内容については今詳しく分析しているところですが,やはり1級は非常に興味深い内容でした.
    リーディングでは第一次大戦時の海軍大臣で後に英国首相となるW.チャーチルに対する評価,2016年のアメリカ大統領選における投票予測,さらにはAI (Artificial Intelligence: 人工知能) 等がテーマとして出題されました.

    ライティングのテーマはずばり「移民受け入れの是非」でした.移民問題は,過去1年間そして現在も,国際政治,特に欧州の国々において国を分断しかねない大きな問題であり続けています.このことから,普段から主体的に世界の動きを追ってる受験者にとっては,まさに「当然予想されるテーマ」の一つだったと言えます.あまりにも直球勝負のテーマであることから,逆に驚いた人もいるかもしれません.

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    実用英検の「実用性」とは何か,受験者は何を求められているのか.主体的に「出題者と対話」する意識があれば,やるべきことは自ずと見えてきます.特に準1級レベルを目指す高校生がそうですが,実用英検の受験勉強を表面的な「対策」や「解法」の観点からしか捉えていない場合,歴史や先端科学等,何よりもまず自分の知識不足を痛感するはずです.英字新聞一つ自分で購入しないで,欲しい情報が空から勝手に降ってくるかのように考えている人は,まずは普段の生活を見直すことから再出発しましょう.

    授業では,1級と準1級について詳細な解説を行う予定です.今回受験した人は,問題冊子と,受験後に再現したライティングの原稿を持参してください.

    英語力をつけたい高校生は辞書を使ってボキャビルしましょう

    夏休みが終わり,中高生は普段の学校・学習生活に戻りました.
    それにしても今年は忙しい夏でした.通常授業以外に集中授業の申込者が増えたのと,プライベートで用事が絶えなかったため,特に8月中は息つく暇もありませんでした.

    さて,今年の集中授業は,受講者のタイプに特徴がありました.具体的には,中学生で実用英検の上位級を目指すケースが大きく増加しました.今年,集中授業に参加した生徒は全て,準1級または1級の志望者です.彼ら・彼女らは全て2級・準1級を取得済みのため,当然ですが次の目標は準1級・1級になります.中には,普段は海外(英語圏)に在住しており,帰国時のタイミングに合わせて姉妹で授業に参加してくれた生徒もいます.皆モチベーションが高く,張り合いのある授業ができたと思います.

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    そのような意識の高い生徒たちですが,彼らを見ていて気付いたことがあります.それは,ほとんどの生徒が辞書を上手に使いこなせていないということです.もちろんこれは彼らに限ったことではありませんが,実力のある彼らですらそうなのですから,普通レベルの生徒については推して知るべきです.

    当塾では,中学・高校入学に合わせて一人一人辞書選定のアドバイスを行なっています.実は,今年は新高一年生が一定数いたことから,どの辞書を購入するか,生徒と一緒に考えるつもりでいました.ところが,高校入学後の最初の授業で,複数の生徒がG5 (ジーニアス第5版) を持参したのには驚きました.なんでも学校指定テキストのセットを本屋に買いに行ったらG5が入っていたとのことです.

    辞書は靴や衣服と同じです.靴や衣服は成長に合わせて買い換えますが,こと辞書についてはこのような基本事項が必ずしも常識とは考えられていないようです.成長期の子供に大人の衣服を与えることが適切とはいえないのと同様に,辞書の使い方を身につけていない生徒にいきなりG5のようなハイレベルな辞書を与えることが良いことなのかどうかよく考える必要があると思います.

    1. 紙の辞書と電子辞書を上手に使い分ける

    世の中で辞書を最も多く使用する人たちはプロの通訳・翻訳者だろうと思います.長年翻訳の世界にも身を置いてきたからわかるのですが,辞書は仕事上の相棒であり,欠かすことはできません.通訳や翻訳の世界ではよく言われることですが,辞書は「お金で買える実力」です(「辞書を信じるは馬鹿,引かぬは大馬鹿」という言葉もあります).私の場合,パソコンに導入する電子辞書を含めると,自腹で購入した辞書は相当な数に上ります(人に譲ってもらったものも含めると100冊近くある).

    日本の辞書のレベルは種類,内容,装丁,どれをとっても世界でトップレベルです.電子辞書もしかりです.英語学習者にとっては天国ですが,一方でどれを選んでいいかわからないという人も多いと思います.このような中,理由はわかりませんが,本屋に行けば一番目につくところに置いてあるのはG5,電子辞書に多く搭載されているのもG5という状態です.したがって,高校生の多くは何も考えないままG5を購入し,3年間苦行に近い状態で我慢しながら使うか,電子辞書で単語の意味だけをさっと見てパタンと画面を閉じてしまうことを繰り返します.

    当塾では,在籍しているほぼ全ての高校生が電子辞書を所有していることから,紙の辞書はG5ではなく,収録語数が5-7万語レベルで,基本語の見出しが大きく,説明が丁寧になされている辞書を使うよう指示しています.具体的には,まずは収録語数の少ない辞書で基本語を徹底的な反復を通して習得し,その後に,より上位の辞書あるいは電子辞書を併用します.辞書の使い方については授業で説明します.

    2. 基本語,特に基本動詞を習得する,しかも意識的・計画的に

    当塾では,多くの場合中学在学中から計画的に辞書を使用します.具体的には,学習到達度を見極めた上で基本語,特に「基本動詞」の項目を読み込み,ノートに例文を書き込んでいきます(途中から前置詞や関係詞,接続詞も含む).基本動詞の数は21個としています.基本動詞はいわば英語の「心」であり,ここを体に染み込ませることで後の学習がスムーズに進みます.高3にもなれば,平均レベル以上の高難易度の英文を読ませますが,途中入塾の場合も,まずは辞書を使った基本語の読み込みと書き取りに取り組んでもらいます.このような実践的な学習を想定した場合,G4・G5レベルの辞書は余計な情報が多く不便です.

    3. 必修語彙を中心に,辞書の見出しを意識的に読み進める

    次の段階では辞書の見出しに記載されている「*」マークを見ながら,ペンでチェックを入れながら意味や例文を読み進めます.普通は1回目は見出しの意味,2回目は英文,3回目は和訳まで含めて目を通します.ちなみに,中学必修語彙は約1,300語,同じく高校必修語彙は約2,500語です.これらの語彙はまさに基本語であり,真っ先に身につけるべき語彙です.多くの高校では入学後に市販の単語集を使うよう指示されますが,当塾ではこのような単語集を使う前に,あるいは並行して上記の作業に取り組みます.早い生徒だと,1ヶ月もかかりません.

    4. 辞書に勝る単語集はない

    本屋に行けば様々な単語集が所狭しと並んでいます.しかしそれらのいずれも辞書を超えることはできないと思います.基本的に市販の単語集は用途が限られています.英検用であれば英検,大学入試用であれば入試データをもとにしています.これらは基本的に短期間で目的を達成するために使用するものであり,当塾でも英検受験者には『PASS単語』を使うよう指示します.ただし,受験まで一定の時間がある高校生には,まずは腰を据えて辞書に取り組むよう指導します.

    英和辞典に限っていえば,それらのほとんどは大学の先生たちが心血を注いで編集し,長い年月を経て受け継がれてきたものです.このため,一時的な流行には流されない安心感があります.大切なのは,何万もの単語が掲載されている辞書の使い方がわかればいいだけの話であり,それは指導者である私の役目だと考えています.

    実用英検 (2017年度第1回): 方法が適切であれば大きく飛躍できることを中学1年生が証明

    この度行われた2017年度第1回の実用英検で、中学1年生が素晴らしい結果を残してくれました。

    この生徒は入塾前に2回 (2016年度)、3級を受験していますが残念な結果に終わっています。そこで去年の年末にお母さんと一緒にカウンセリングのために来塾しました。当時は小学6年生であり、勉強以外にスポーツを頑張っている礼儀正しい生徒という印象でした。

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    CSEスコアは「G3 -1」なのであと一歩です。ただし大問1 (語彙) のスコアが不十分なのと、リスニングやディクテーションを含めた音声トレーニングを普段行なっていないこと、中学卒業レベルの文法学習も必要なことから、冬の受験 (2016年度第3回)は勧めずに、2017年度第1回を見据えて学習するよう提案しました。具体的には、当塾での学習は3月開始とし、それまでに自宅で『PASS単』を進めておくよう指示しました。

    3級は2017年度から出題形式に変更があり、「ライティング」が課されるようになりました。本人やお母さんはこのことに不安を抱いているようで、当初はライティングのない (ただし整序問題はある) 2016年度第3回を受験した方がいいのではないかとのことでした。しかしいくつかの理由を説明し、考えを改めていただくようアドバイスしました。

    ライティングについては、2016年度から2級ですでに出題されています。去年2級を受験した当塾の生徒 (中学・高校生) は全て1次・2次をストレートで合格していますが、彼ら・彼女らは皆ライティングで高得点を得ています。もちろん、リーディングやリスニング等全てのパートで得点が伸びているのですが、ライティングでは全ての生徒が合格者の平均を大きく上回るスコアを出しています。

    現行のCSEスコアでは、ライティングはリーディングやリスニングと同じ配分 (3級の場合はR:550, L:550, W:550) です。したがって、リーディングやリスニングの学習を続けつつも、ライティングで高得点を得ることが、確実に合格するための一番の近道になり得るのです。しかし同時に、大人を含めた多くの日本人受験者はライティングに苦手意識を持っているため、対策段階で適切なライティング指導を受けておくことがとても重要になります。

    さて、本生徒の場合、授業開始 (2017年3月) 時点での英検一次バンドは「G3 -1」でしたが、今回受験した一次試験の結果はどうだったか。

    「G3 +10」

    驚きました。一気に「11段階」アップです。CSE上の合格基準は「1103」でしたが、それをはるかに超え、準2級の合格基準である「1322」も超えてしまいました。さらにライティングは満点「W:550」でした。まさにGood Job! です。

    ちなみに、2016年度第2回で2級に合格した中学2年生も、「G2 -1」から「G2 +10」へと「11段階」アップし、準1級の合格基準を超えて合格しています。

    英検は結果がはっきりわかるので、英語学習のモチベーショインになります。ただしいつも言っていることですが、大事なのは合格後です。英検という「大会」が終わった後の生活でその人の語学に対する姿勢がわかります。

    今回の生徒の場合、準2級受験を視野に入れつつも、夏休み中はGraded Readersの読書で「英語生活」を堪能してもらうと考えています。