高校3年生、TOEFL iBT 目標スコアを達成し、米国の大学に合格!

年明けからセンター試験、実用英検、大学一般入試等、休む暇なく全力で駆け抜けてきましたが、ここにきてまたうれしい結果が届きました。米国の大学への留学を希望する高校3年生がTOEFL iBT で目標スコアを達成し、正式に入学が許可されました。

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当塾では、国内の大学のみならず、海外の大学への留学を希望する高校生を最大限応援しています。なぜなら、大学はもはや国内の価値観や基準だけで選ぶ時代ではないからです。インターネットが普及し、世界中の大学の情報が簡単に得られるようになった今、世界レベルで自分に合った大学を選ぶのは、ある意味当然のことです。奨学金制度や学生に対するサポート、将来的な人脈やキャリア形成の面からも、意識の高い高校生やお母さん方にとっては、確実に現実的な選択肢の一つになっていると思います。

ただ、多くの場合、ネックになるのはTOEFLです。TOEFLは過去に数回試験内容が変更されており、現行の試験はTOEFL iBT です。大きく分けて4つのパートから構成されており、4技能すべてで一定のスコアが要求されます。TOEFL iBT はIELTSと比較されることがありますが、細かな面で違いがあります。また、米国の大学ではTOEFL iBTが選考基準になっていることが多いようです。

TOEFL iBT の難しさは、特にIntegratedと呼ばれる試験形式にあります。たとえばライティングやスピーキングでは、提示されたパッセージを読み、会話や講義を聴き、それらの情報をもとに書いたり話したりするという作業が求められます。これは国内の試験には見られない出題形式で、センター試験レベルの学習では歯が立ちません。現実的には、難関学部に入学した大学生が、最低半年程度準備して本番に臨むというのが一般的だろうと思います。

今回の生徒Nさんの場合、夏休みから約半年の学習で見事目標スコアをクリアしました。当塾に来たときにはまだ一度も受験したことがなく、その後直ぐに受験したときの最初のスコアは目標スコアにはほど遠い状態でした。スコアを見ると、スピーキングとライティングのスコアがリーディングとリスニングのスコアを上回っていました。本人によると、「リーディングより英会話が好き」とのこと。そこで、まずはスピーキングとライティングのスコアを上げることを目標とし、それにより自信を持ってもらう方向で授業計画を立てました。

彼女の場合、ライティングのスコアが良いのは大きなアドバンテージでした。TOEFL iBT の大きな特徴は、ライティングの比重が大きいことにあります。一般的な日本人英語学習者の場合、ライティングに苦手意識を持っている人が多く、指導にも時間がかかります。彼女の場合、そのような苦手意識がなく助かりました。そこで、授業では毎回事前にスピーキングとライティングの原稿作成を宿題として課し、私がすべて添削することにしました。

彼女は私が課したすべての課題に真摯に取り組んでくれました。最初の面談では、お母さんが「続くかどうか少し心配」とおっしゃっていましたが、そのような心配は全くの杞憂に終わりました。また、TOEFL iBT のライティングの指導と並行し、より易しい実用英検の過去問を使って英文リーディングの方法を頭と体に叩き込みました。TOEFL iBT のリーディングに使用される英文と比較すると、実用英検の英文は抽象度が低く、具体的な内容が多いため、高校生には適していると判断したからです。同時に、リスニングについては2級と準1級のスクリプトのシャドーイング、ライティングについては準1級のライティング問題を完璧に仕上げることを目標にしました。

2級は過去に受験したときは残念な結果に終わったとのことですが、当塾入塾後、約2か月の指導により、2級は1回で合格、準1級のライティングではフルスコアを達成しました。これらの結果を見た本人は、大きく変化します。苦手意識を持っていたリーディングの予習や音読にも積極的に取り組むようになったのです。

ただし、なんでもそうですが、物事はスムーズには進みません。その後受験した2回目の本番試験ではスコアが下がり、意気消沈する彼女。ただ私は今までにこのようなケースを見てきているので心配はしていませんでした。人間は、大きく飛躍する前に必ずと言っていいほど試練が課されるのです。本人が前向きになってきていることもあり、「何も心配はいらない。ただし今後の姿勢如何で本物の力が付くかどうかが試される」と話をしました。

スピーキングとライティングは順調に伸びるだろうと予想されたため、それからはリーディングとリスニングを鍛える方向にさらに大きく舵を切りました。最初は、ETSのOfficial Guideに掲載されているリーディングの本文について、私が一つ一つのパッセージを音読しながら逐語訳を示していきました。こうすることで、生徒は正しく英語が読めているときの頭の働かせ方がどのようなものかが実感できます。この段階まで来ると入塾した時とは表情が別人のようです。このような指導を約2ヶ月つづけた結果、3回目の試験では、前回を10点以上上回るスコアを獲得。それでもまだ目標スコアに10点以上足りません。さてどうするか。

私自身はリーディングとリスニングの基礎力はついてきたと感じていたため、設問で正解を得るための実践的な対策に移行してもよいだろうと判断しました。Official Guideにも記載されている通り、TOEFL iBTの設問には決まったパターンや形式、そして解答手順があります。そこでさらなるリーディングの練習も兼ねて、ガイドの説明文と例題を本人に音読してもらいながら細かく解答手順を確認していきました。「リーディングは好きではない」と言っていたのが嘘のように自ら解説文を声に出して読み、正解の根拠についても自分で考え、積極的に言ってくれるようになりました。

約半年の指導を経過し、1月はいよいよ最後の受験月となりました。本人には「何も心配はいらない。今試験が受けられることに感謝し、楽しんできなさい」と言って送り出しました。彼女には授業で教えるべきことはすべて教えたと考えており、何も心配はいらないというのは私の本心だったのです。ただ真冬の試験ですから、健康管理だけは怠らないようにと話をしました。試験後の最初の授業では「スピーキングで失敗したかも」と言っていた彼女ですが、私自身はリーディングのスコアが必ず伸びているはずであり、それによって目標スコアがクリアできるかどうかが決まると考えていました。

2週間後、私自身はほかの授業で忙しく、スコア発表日のことを忘れていたのですが、最初にお母さんからメールが届きました。「無事、目標スコアをクリアしました!」という内容です。その後本人からもメールがありました。彼女によると、パソコンの画面を前に、母と娘の二人で飛び上がって喜んだそうです。

ふたを開けてみると、ライティングはそれまでの最高点を記録。リーディングとリスニングについては、初回受験時と比較するとそれぞれ60%および40%を超える伸び率。まさに堂々の結果であり、胸を張って海を渡れるレベルです。

それにしても、なぜここまで彼女が成長できたのでしょうか。彼女は別人になったのでしょうか。お母さんによると、過去にいくつかの塾を経験し、最後にたどり着いたのが当塾とのことでした。確かに表面的に彼女は変わりました。特に秋以降ははっきりと私も感じました。スコアが伸びるかどうか不安な中、精神的に疲れることもあったと思います。そのような中、彼女は泣き言一つ口にせず、黙々と学習に取り組んでくれました。

私自身は、彼女は本質的な部分では何ら変わっていないと見ています。最初の面談では少し恥ずかしそうにしながらも笑顔で話をしてくれたNさん。こちらからの質問にもしっかり答えようという意志が感じられました。そう、彼女は「変化ではなく開花」したのです。つまり元から持っていたものが顔を出したに過ぎないということです。

米国の大学ではホスピタリティーを学び、将来は世界を飛び回って仕事をしたいと語るNさん。成長した大人の彼女に再会できる日を心から楽しみにしています。

中学2年生、実用英検 2級に合格!

昨年に続く快挙です。ちなみに2級は高校卒業程度とされるレベルです。まずは日ごろの指導についてきてくれた本人、陰で支えてくれたお母さんにおめでとう、そしてありがとうと申し上げます。

中学生の英検上位級の受験については、メールで問い合わせをいただくこともあり、ブログでも折に触れて書いています。

「中学生 の 英語学習 で大切なこと(英検含む)」

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当塾では英検受験は義務ではありませんが、周りよりも早く上位級に挑戦・合格したいという希望は最大限尊重しています。なぜなら優れた資質を早く見抜き、伸ばしてあげることも大切だと思うからです。他塾では物足りないといって来塾する親子もいらっしゃいますが、その場合、まずはしっかりカウンセリングを行い、価値観や指導方法を共有・共感できるかどうか確認します。普段の授業では音読や多読、文法や筆写等、あくまでも基本に忠実な学習・習得方法を貫いており、英検対策は通常授業の延長線上に位置づけられるべきというスタンスをとっています。

今回英検 2級に合格した生徒は胸を張っていいと思います。なぜなら、決して小手先のテクニックで合格したわけではないからです。同時に、いったん合格したら英検のことはもう忘れていいと話しています。今の日本、特にネット上では、○級に合格すると入試に有利かとか、英検とTOEICではどちらが就職で優遇されるか等、内向きで視野の狭い質問が目立ちます。メールでの問い合わせでも、内申書に間に合うように合格させたいが今から間に合うか、といった内容のことをまじめに聞く親御さんがいらっしゃいます。

そのような親御さんには、身の丈に合わないプレッシャーをかけることが本人にとって望ましいことなのかどうか、まずはよく考えていただきたいと思います。子供がそのような環境に置かれるとどうなるのか、学習方法がわからずに一人で悩み、不本意な結果を経験し、場合によっては英語そのものから気持ちが離れてしまうことにならないかということです。

子を思うのであれば、目の前の入試に有利か不利かという短期的な尺度はいったん心の中に仕舞ってください。代わりに、どうすれば子供の潜在力を最大限引き出すことができるのか、どうすれば中学・高校の6年間、楽しく英語力を身に着けることができるのか、さらにはどうすればその後の人生を充実させることができるのか、中期・長期的な視野で見守ってあげてください。上位級に合格する生徒の場合、生徒本人、お母さん、そして教える側である私との間で価値観が共有できていることの証でもあります。決して狭い考えで英語をとらえているわけではないのです。

音読の効果を向上させる3つのポイント

音読という学習方法を最初に耳にしたのは1980年代のことです。大学に入学した私は、幸運なことに故國弘正雄先生にお目にかかる機会がありました。所属していた英語クラブに先生が時々お越しになり、英語や国際関係のことなど、直接話を聞く機会に恵まれたのです。当時は大学での授業以外にニュースキャスターの仕事もなさっており、上品で紳士的な方だろうと思っていたのですが、この期待はいい意味で裏切られました。

一言でいうと、國弘先生は「熱い男」でした。オーラがあり、最初はテレビでの印象通りニコニコと話をされていたのですが、戦争と平和のことになると表情と話しぶりが一変しました。機関銃のように連射される言葉の数々、戦争を嫌悪し、こぶしで激しく机をたたきながら怒りをあらわにするその姿に、高校を出たばかりの私はただただ圧倒されました。英語が敵性語であった中学生時代に執拗なまでに音読に取り組んだ先生の行動の根底に何があったのか、平和な時代に育った私に即座に答えは見出せませんでした。ただし、自分がこの先大学でどのように英語を学ぶべきか考えるための大きなきっかけになったと思います。

その國弘先生は、『英語の話し方-国際英語のすすめ』という本を書いています。30年以上も前に書かれた本ですが、今でも学ぶことは多いと思っています。興味のある方は一読されることをお勧めします。ちなみに、当時の國弘先生は、高度な通訳者として世の中から見られていたのだろうと思います。しかし先生は本来、文化人類学や比較思想史を専門とする研究者であり、英語の技術的な側面に過度に重きを置いて語られることに心底同意していたのかどうかは疑問です。『英語の話し方-国際英語のすすめ』で語られているいくつかのキーワードについても、広大な思想のごく一部を占めているにすぎず、それらを恣意的に取り出して一人歩きさせないよう注意しながら解釈することが重要だと思います。以下、そのことに注意しながら述べてたいと思います。

同書の中で先生は只管朗読という学習方法について説明しています。只管朗読という学習方法についてはここでは細かく立ち入りませんが、当塾では大学受験対策を含め、すべての授業ですべての生徒に対して音声指導を取り入れています。英語習得において音声指導が重要なのは言うまでもありません。同時に、受験対策と音声指導の高い次元での両立がいかに難しいかは、予備校や大手進学塾の集団授業をご存じであればご理解いただけると思います。そこで、ふだん授業で心がけ、実践していることの一部をご紹介します。上級者やプロであれば当たり前のことだと思われるかもしれませんが、中学生・高校生に対して日々実践させることを念頭に置きながら読んでください。

 

1. 内容が理解できている英文・テキストを使用

 

最初は内容が理解できている短文から始めましょう。音読自体は内容がわからなくても楽しめると思います。事実、私は学生時代に英語のほかにドイツ語、フランス語、ロシア語の基礎レベルまで学習しました。文法自体はほとんど覚えていませんが、発音の感覚やルールは今でも体が覚えていて、文章によっては内容がわからなくても音読が可能です。したがって特に詞や音楽などを通して言葉の持つ音自体を楽しむというのも大いにアリだと思っています。ただし、英語習得の初期あるいは途上にある中高生の場合は、内容が理解できていないとただのBGMになってしまいます。授業では、音読で使用する英文を一人一人に対して細かく指定します。

 

2.マルチ・タスクとして意識・実践することで効果が倍増

 

大学入試や英検、TOEFL等のスコアアップを狙う場合は、パッセージの内容理解を第一義とすべきです。これは「習得のレベル」です。ただし、やる気のある生徒の場合はそこからさらに一歩、二歩、三歩先に進んで音読を実戦します。易しい英文で純粋に発音練習として取り組むのもよいし、読解で苦労したテキストを使うのもいいと思います。この場合は、「速読・即解」を念じながら実践してください。一度は内容を完全に理解した難易度の高い英文を使用し、音声でのアウトプットと内容確認をマルチ・タスクとして意識しながら行うことで、大きな効果が得られます。

これをすべての内容が速読・即解できるまで行います。これは「体得のレベル」です。要は、スポーツや武道の稽古と同じく、頭と体が一体になる感覚が得られるまで実践するということです。簡単な内容ばかりでは脳に負荷がかかりません。経験則ですが、難易度の高い英文を精読した後は、そこからさらに音読を行うことで、読解力が大きく向上します。最初は難しくて冴えない表情をしていた生徒の顔が、最後は「1回読んだだけでわかる!」と笑顔に変わります(本当です)。

 

3.試験対策では完璧を目指す

 

英検や大学受験、TOEFL等で実力アップを図りたい場合は、文法や読解、解答手順を理解した後、受験するレベルや級のリーディング・リスニングの英文について、個々の単語の発音も含め、完璧に近いレベルまで音読・シャドーイングを続けます。実際当塾では、各自が受験する試験の英文はすべて音読・シャドーイングできるよう指導・実践しています。このような指導の成果は大きく、たとえば中学2年生で実用英検2級のリスニングのスコアが90%を超えるまでに向上しています。これは生徒にとっては大きな自信になります。きちんとしたトレーニングをしていないと、大学受験生ですらセンター試験レベルのリスニングで苦労します。一方、中学生でもやり方次第で大きく実力アップを図ることができます。

会員連絡(160125): 当面の授業スケジュールについて

1月に入り、センター試験、実用英検とあわただしい日々が続いています。
特にセンター試験が終わったことで、今月末からは私大の一般入試が本格化します。
また、米国の大学への留学を希望する場合、TOEFLのスコアアップに向けて追い込みをかける時期です。

授業では、国内組は志望大学の過去問、海外組はTOEFLのオフィシャルガイド等を使い、入念な対策を行ってきました。やるべきことすべてやったのですから、受験生の皆さんは安心して本番に臨んでほしいと思います。

今月末から2月以降にかけてのスケジュールですが、入試の受験予定日に応じて、2月分の授業を1月に前倒しすることも可能です。希望する場合は早目にメールで連絡をお願いします。

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます!
旧年中は多くの方々にお世話になりました。この場を借り、御礼申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

会員の皆さんは、それぞれ家族と楽しい正月を迎えていることと思います。
冬休みが終われば、センター試験を皮切りに本格的に入試シーズンを迎えます。
海外の大学に進学する人もTOEFLや出願等で忙しくなることでしょう。
考え方はそれぞれですが、日本人であれば、正月くらいはゆっくり休み英気を養ってください。

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どのような人生を歩むかは結局は自分次第です。
どのような方向に進むにせよ、当塾で学んだことが多少なりともお役に立てるようであれば幸いです。
本年も、世の中の一時的な流行に左右されることなく、常に本質を見極める努力を怠らず、本物の力を身につけてもらうべく精進する所存です。

英検 が終わったら何をするか: ライティング編

2015年第2回の英検 結果が公表されました。今回も2級の合格者が出ました。

さて、今回めでたく合格した人はこれから何をすればいいのでしょうか。試験好きで真面目な日本人のこと、さらに上位の級に向けて試験対策に取り組もうと考えている人もいるのではないでしょうか。当塾も英語塾である以上、当然そのような対策授業をおこないます。しかし、そのような試験対策に比重を置いた英語学習は、英語習得プロセス全体においてごく一部を占めているに過ぎません。試験対策中は真剣に取り組み合格を目指し、試験が終わったら早く対策モードから抜けて日々の生活の中に英語を取り入れることを意識しましょう。

英語を「対策」や「スコア」という観点でのみ捉えていると、英検 などの試験対策以外で英語に接することが少ないため、様々なジャンルの英語をバランスよく吸収できません。場合によっては英語力が頭打ちになり、英語自体から離れていく可能性もないとは言えません。一方、普段からペーパーバックを読むなど、生活の中に英語が根を下ろしている人は、歯を磨いたり呼吸をするのと同じように自然と英語と接しています。たとえ海外に行く機会がなくても、そのような人は立派な英語人であると思います。

当塾では、会員の中心が中学・高校生ということもあり、このような認識に到達するのは早すぎるため、どうすれば普段の生活の中に英語が根をおろすかを考えながら授業をおこなっています。英検に合格したりTOEICで高得点を取得することは、本人にとって大きなモチベーションや自信につながるので、真剣に取り組むことが大切です。同時に、めでたく合格した生徒には、それぞれのレベルに応じて試験後にたっぷり英語に浸れるよう、一人一人に対して課題を課します。

具体的には、英検に合格して有頂天にならないよう、多読や多聴、多筆等、たっぷりとインプット・アウトプットに励んでもらいます。特に英検後は、日本人英語学習者にとって手薄になりがちな英文筆写を中心としたライティングに取り組むことを推奨しています。英検対策中は、リスニングや音読に集中して取り組むため、声を出すことに疲れている人も多いことでしょう。一方、英文筆写は一人で静かにまたは好きな音楽でも聴きながらマイペースで楽しく取り組むことができるというメリットがあります。

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題材は英検 やTOEICに出題されるような試験用の英文は使用しません。小説や随筆、歴史や哲学書といった今の日本人があまり読まなくなった文章、その中でも名文と言われる文章をレベルに合わせて選んで使用します。何も考えずに書き写すのもいいし、最初に音読してリズムをつかんでから書き写すのでも構いません。どちらの場合も、短時間で英文を脳にインプットしつつ、ただ静かに書き写していきます。國弘正雄先生がかつて提唱した「只管筆写」の方法です。

英語を「ツール」や「スキル」として捉える風潮の強い時代の表れなのかもしれませんが、今の高校生が読む、あるいは読まされる文章には、書き手と対話・格闘するに値する英文、物事を深く考えさせる英文が少ないように思います。特に、将来留学したり国際的な分野でコミュニケーションすることを想定すると、時代や国を超えて受け継がれた優れたものの考え方に、英文を通して触れることには大きな意義があると考えています。

テキストは、好みや難易度に応じて好きなものを選べばよいでしょう。OUPMacmillanなどのGraded Readersであればレベル別に選択が可能です。また翻訳付きの対訳本や著名な英文学者の解説が付いている文学や随筆などもよいと思います。文学は、いわば言葉の芸術ですが、このような芸術作品は英検やTOEICではお目にかかれません。映画好きであれば、The Phontom of the Operaなどの有名作品やHarry Potterシリーズでもよいでしょう。物語形式の英文であれば、一流作家が話の「コンテキスト」に細心の注意を払って書いた生の会話文を学ぶことが可能です。また短編集であれば、量が少なく気に入った箇所のみ書き写すことができるため、負担が少なくて済みます。

英検 が終わったらクールダウンしましょう

2015年度第2回英検 が終了しました。受験した会員の皆さん、お疲れ様でした。今回も、中高生を中心に、夏休み期間中から対策授業で準備をし、ほとんど全員が無事二次試験まで進みました。結果が出るのはまだ先ですが、結果はどうであれ、目標に向かって努力した自分を褒めてあげましょう。

英語習得は英検 合格が全てではありません。(上級者になれば、資格試験では問われない部分に次第に意識が向くようになります。)ただし、受験すると決めたなら全力で取り組むべきです。また、中高生の場合は一定期間内に相応の実力をつける上で有益であり、努力すれば大きな成果が期待できます。

大学や高校入試は本気で取り組むけれど、英検は記念受験でいいという考えの人もいるかもしれませんが、そのような考えには賛成できません。なぜなら、人間はそれほど器用な生き物ではなく、基本的に楽をしたがる性質があるように思うからです。一つの試験に中途半端に取り組んでしまったと思う場合は、それが他の試験に悪影響を与ないよう注意しましょう。

ただ、さすがに英検対策で少し疲れた人もいることでしょう。そのような時は、武道やスポーツの場合と同様、軽いストレッチのつもりでクールダウンすることをお勧めします。つまり、試験モードから日常モードに上手に切り替えましょうということです。一生懸命勉強しすぎて「しばらくは英語自体もう結構」と思うことのないよう願うばかりです。

実用英検 のリーディング問題には、環境問題や国際政治に関する問題等、固い内容の題材も使用されるので、試験後はDVDやCD、さらにはKindle等で、好きな映画や音楽、小説の一部を使って、口直しの意味で軽く音読することをお勧めします。私の場合、クラシックからハードロックまで音楽の趣味は広いのですが、少し疲れたなと思う時は、中高生時代によく聴いたOlivia Newton JohnABBAを聴きます。あとは、Kazuo Ishiguroなど綺麗な英文の一節を音読したりします。そして気力やエネルギーが回復したらまた通常の多読・多聴生活に戻るというパターンです。

普段の授業で感じるのは、特に社会人の方々の英文リーディング量が少ないということです。実用英検 2級レベルに到達したら意識的にリーディング量を増やすことを心がけてください。小説やフィクションにはプロの作家が何度も書き直したりして完成させた、気の利いた英語表現が満載です。英会話のテキストを使うことだけが英語上達の道ではありません。

普段どんな本を読んだりDVDを観たりするのかと聞かれることもあるので、参考までに最近読んだり観たりした本やDVDの一部を挙げておきます。

1. World Order

World Order: Reflections on the Character of Nations and the Course of History

学生時代の専門が国際政治学だったこともあり、この人の本は外せません。

2. House of Cards

House of Cards (House of Cards Trilogy)

Kevin Spacyが主演した米国リメイク版DVDが知られていると思いますが、原作は英国人作家によるものであり、BBCがTVシリーズを製作しています。次に挙げるA Most Wanted Manや、あとはWolf Hallなどもそうですが、このようなシニカルな作品は英国ならではのものではないかと思います。

3. A Most Wanted Man

A Most Wanted Man (English Edition)

言わずと知れたJohn Le Carreの作品。この作家の作品を読むことが人生の一部になっています。映画版ではPhilip S. Hoffmanが渋い演技を見せています。年齢を重ねるにつれ、また国際政治を深く知るにつれ、共感できる部分が多くなっていきます。

4. Wolf Hall

ウルフ・ホール (上)

ウルフ・ホール (下)

House of Cardsは現代政治がテーマであり舞台ですが、本書は16世紀英国が舞台です。高校の世界史の授業では軽く聞き流した人もいると思いますが、大人になってからこのようなテーマの本を読むと、色々な読み方ができて楽しめると思います。英国ではTVシリーズとして放映されており、俳優のDamian Lewisがヘンリー8世の役で出演しています。

5. 刑事コロンボ

刑事コロンボ コンプリートDVD-BOX

最近になって子供の頃に観た「刑事コロンボ」シリーズをなぜか急に観るようになりました。当時は小池朝雄氏の吹き替えで楽しみましたが、今は英語表現の収集も兼ねて英語版で観ています。一話完結なので、気軽に観ることができます。

私は大人の男性なので、女性や中高生とは嗜好が違うかもしれません。皆さんも、それぞれ自分自身で英語習得の楽しさを見つけてエンジョイしてください。

会員連絡(151012): 英検 2次試験に向けて

昨日10月11日に実用英検の1次試験が無事終了しました。受験された方はご苦労様でした。

対策授業で説明・確認したことを素直に実行した人はきっと大きな手応えを感じていることでしょう。

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今週の授業では1次試験の解説を行います。問題冊子を忘れないようにしてください。
その後は2次試験に向けた面接対策を行います。1回で2次試験が突破できるよう系統立てた授業内容になっています。

詳しくは授業時に説明します。

2015年度第2回 英検 が近づきました

2015年度第2回 英検 が近づきました。
中高生の皆さんは、学校の定期試験などもあり忙しい日々が続きましたが、よく頑張りました。授業で学んだことを素直に実行すればおのずと結果はついてきます。残された時間は多くありませんが、具体的な 英検 対策として今からでもできることを述べおきますので参考にしてください。

1. すべての受験級

1-1. 英検 語彙問題

「Pass単」等の単語集の暗記に取り組み、それらの単語を記憶の度合いに応じて分類したと思います。全部を見直す必要はありません。記憶があいまいな単語を中心に見直しをしてください。

1-2. リーディング問題

  1. 設問問題文の先読手順を確認してください。その際、固有名詞(人名、地名)、「one thing」などの部分を素早く丸で囲んでください。選択肢まで読む必要はありません。
  2. 最初の設問の答えを探すために最初のパラグラフを読みます。英検は読書の時間ではありません。パッセージは解答のためにあることを忘れないように。読書の楽しみは後に取っておきましょう。
  3. 「パラフレーズ(言い換え)」を確認してください。パラフレーズについては授業で説明しました。過去問をしっかりこなした人は頭と体の両方で覚えているはずです。また本文中でパラフレーズが使用されている個所にはマーカーで線が引かれていると思います。それらと正解選択肢を照らし合わせる作業を過去問3回分程度おこなってください。

1-3. リスニング問題

  1. 過去問で間違えた個所について正解選択肢の「リーズニング」を確認してください。その後、該当箇所の音声を聴き、頭と体(耳)の両方で納得できることを確認してください。
  2. 過去問3回分程度を目安にシャドーイングしてください。

2. 2級

2-1.整序問題

2級に出題される整序問題は、過去問で間違えた問題のみ、確認とシャドーイングをおこなってください。あと、ここはマークシートで記入ミスが発生しやすい箇所です。本番ではあわてずに落ち着いてマークしましょう。

3. 準1級

3-1. 作文問題

準1級ではメール形式の作文があります。対策授業で作成したひな形を活用してください。授業に参加した人は問題ないと思いますが、念のため大切な点について1つだけ述べておきます。

準1級の作文は、基本的にメールに対する返信です。したがって送信者の質問に適切にこたえることが大切です。質問の数はいくつか、それらにすべて答えているかを確認してください。文法的に正しい英文を書くことができても、質問に正しく答えていなければ高得点は得られません。

以上、文章で書くとやることが多いように見えますが、これらはすべて過去2-3か月の間に頭で理解し、体で反応するよう取り組んできたことであり、まじめに取り組んだ人は条件反射的にできるようになっているはずです。自信を持って本番に臨んでください。

会員連絡(150901): 9月以降の授業スケジュールに関して( 英検 対策等)

9月以降の授業スケジュールに関してお知らせします。

猛暑の夏も終わり、朝晩には涼しい風を感じるようになりました。
日本の夏の暑さには、外国人観光者はびっくりするようですが、個人的な経験でいえば、
かつて留学した Washington DC の暑さもなかなかのものでした。
日本とは異なり梅雨がないため、6月初旬から強い日差しを浴びることになります。
ちなみに今日の天気は以下のようになっています。
日本とは時差が13時間あります。

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さて、本題です。9月以降は、基本的に通常授業の時間割で授業を進めます。
秋に 英検 を受験する人は、授業で試験対策をおこないます。
この夏の努力は、必ず実を結びます。本番まであと1か月余りですが、引き続き楽しく頑張りましょう。